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2009年9月

〜2日掛けて大阪を目指す〜



昨年度までで静岡県は富士市まで走行した国道1号。
その当時までは、ゴールである大阪まで辿り着こうなどという想いは毛頭無かったのだけども、その後の練習で1回の距離が200kmを超える事がさほど苦にならなくなってきた辺りから、いよいよこの想いを現実のものとしようという気持ちが高ぶってきて。

そして実はこの年のゴールデンウィークに実施しようと思ってはいたものの、天候に恵まれなかったため断念し、次なる長期連休である9月のシルバーウィークにいよいよこれを実行することにしたのでした。


プランでは、昨年度までで走った富士市まで電車で移動し、そこから200km少々走った名古屋で一泊し、翌日残り190kmを走って大阪に辿り着く、というもの。

それには少しでも富士市に早い時間で辿り着きたかったので、夜行バス、新幹線、始発電車、始発駅もろもろを探した結果落ち着いたのが、
品川駅までの約10kmを自走し、
輪行袋に自転車を詰めて始発の東海道線に乗り、
熱海で乗り換えて午前7時に富士駅に着く、
というもの。

また、一泊するので荷物は極力少なくしたい、ということで、久しぶりに海外旅行の時に使った衣類圧縮袋を活用し、




肩掛けリュックとウエストポーチという装備に落ち着く。


ということで、

02:30 起床
03:40 出発




04:15 品川駅到着&輪行袋に詰めて荷造り

と、出だし順調。
いや、この程度は当たり前か。




04:35 JR東海道線始発に乗車。




荷造りを割とゆっくりめにしていたら意外と時間が迫ってきてしまい、3分前乗車というギリギリな状況に少し焦る。(笑)

加えて電車の電光掲示が、現在の停車駅表示がなぜか「東京」で次が「品川」と、そっちも間違ってて一瞬乗った電車を間違えたかと焦る。(笑)


電車は当然ながらガラガラで、ただ少し寒く、荷物の中から衣類を出しては少し横になり、まずは熱海までしばしの休息。


06:20 熱海駅到着。朝日が眩しい。

ここでJR東海道本線・島田行き電車に乗り換える。




07:00 ようやく富士駅到着。9月とは言えまだ陽が高い時期。おかげですっかり明るくなっていた。

まだ少し眠いけど、周囲が明るくなれば身体も自然に目が醒めてくる。これは以前の長距離練習でも同様の経験をしたから実証済みだし、生理学的にも自然の本能として携わっている人間本来の機能らしいので、意に介さず。

それから体調も悪くない。肌寒さも陽が昇れば解消されていくだろう。




昨年度の離脱地点、国道1号「宮島東」交差点到着。




07:50 近くのコンビニで腹ごしらえと補給食の買い込みをし、1年ぶりのリスタート。

目的地まで、218km。




富士山を横目に、快晴な早朝を自転車が疾走してゆく。

風は少し向かい風だがそれほど強くなく、マイペースで行けば18時頃には名古屋に着けるだろう。


ところが…




50kmほど走ったあたりから、早くも疲れてきた。

原因は向かい風だけでは無さそうだ。
ここまで道が何度か自動車専用道路に牛耳られ、かと言って自転車・歩行者用道路が併走しているかと言えばそうでもなく、というかいつの間にか専用道路に紛れ込んでしまっていたという状況があり、早く抜け出したいための高速走行による体力的消耗、そして一般道へ離脱してもあまり遠回りしたくないという気持ちによる精神的消耗があったらしい。




10:50 掛川市入口で休憩。74km地点。

なんか凄く疲れた。
この近辺も国道1号が完全に自動車専用道路と化しており、自転車・歩行者おいてけぼり状態。
少しイラッとして強引に走ったりもしたけど、高速走行車両の中を自転車が走り続けるのはやっぱり怖いので適当なところで抜け出しはしたけど、それにしても物凄く、走りにくい道だ。。。

世間にはキャノンボールと称して全長565kmを24時間で走ってしまうようなツワモノもいるらしいが、こういう所ってどう対処しているんだろう???



12:00 袋井市。94km地点。

なんかすげー疲れた。
終始向かい風だったり、左ヒザ裏が痛くなってきた、っていうのもあるんだけど、それ以上に道路標識が自動車専用道路に誘導しまくるもんで、「ここまで誘導して自転車禁止マークは無ぇだろ!」と、そのまま強行突破も数回は相変わらず。

まぁ怖いんで抜けられるところですぐに出るのも相変わらず。

そんな精神的疲労もあってか、なんかテンション低め。
あと、走っててあまり面白くない。。。




14:20 浜松到着。




浜辺があったので少し寄り道。





名古屋まではまだ100kmくらいありやがる。(汗

気温も高めで、相変わらず疲労も激しい。
明日は大阪行き200kmをやめて名古屋観光でもしようかな。(ぇ

大阪は出張で以前2ヵ月滞在したことがあるんだけど、名古屋はまだ訪れた事が無いというのもあって。。。

ちなみに名古屋と言えば、自分が知ってるのは名古屋城とういろうと、、、あと喫茶店のサイドメニュー(?)が豪華ってことくらいしか知らんけど。w











14:40 ついに標識上で100kmを切る。




そして自身も愛知県に突入し、




国道1号全長:300km地点を越える。

時刻は16時。コンビニ休憩の休止時間も長めになってきた。
ヒザも痛い。
ただ、高かった気温は下がってきており、体調は少し良くなってきた。


しかし…
気温が下がったということは陽も落ちてきており、時間も刻々と過ぎていくが目的地まではまだまだ先。

気が滅入る。
本当に、明日は名古屋観光にしよう。。。


それにしてもこの辺りは反対側の信号が赤になってからこちらの信号が青になるまでのタイムラグが少し長いな。せっかちな(?)地元民を少しでも抑えるための策だろうか…?




19:00 名古屋市突入。

すっかり暗くなった。
ただ、ゴールまでもう少しだろう。

…ゴールはどこにしよう?(マテ


と言うのも、国道1号が必ずしも名古屋の中心街を走っているわけではないからだ。標識の距離表示も、決して名古屋の中心街を示しているわけではないし。


と、とりあえず名古屋駅をゴールとするか。
すると、、、どの道を走ればいいのやら?


コンビニで地図を確認する。

そして…




19:50 今回の国道1号離脱地点、事実上のゴール地点である国道19号との交差点に到着。

名古屋駅に行くには、この19号に沿って少し走ったところにあるわけです。


ちなみに19号をずっと行けば国道20号に合流したり、長野県松本市に辿り着いたりするわけだが、その昔、富山県を目指して国道20号を走ったときに長野県塩尻市で19号にぶつかったっけな。

懐かしいな。。。

と同時に、あの道がまさかここまで通じているとは思わなくて、道の繋がりを実感した一瞬でもあったのでした。



と感慨にふけながら、今回の記録をば。





220km走って平均:24.0km/hはなかなかのものかなと。




夜も暗くなって、ヒザが痛いなりにも好調にスピードを維持できたので、行こうと思えばもう少し行けたかもしれないけど、体力がゼロになった深夜に宿を探すのは恐らく不可能だと思い、片道4車線の19号を大人しく走ってクールダウン。




20:30 名古屋駅到着。予想以上に遅くなってしまった。

それにしても19号を走っていて、なんとなく寂しい街だな・・・と思っていたけど、やっぱり駅前は圧倒されました。
なんでもこの駅ビルは世界一の高さとのこと!


と、あまり感慨にふけってもいられない。

現実:今夜泊まる宿が、無い。


…そして大型連休。

何軒か電話したり、直接行ってみるものの全て「満室」。

友人に電話をして、ネットで検索してもらったりしながら探すこと1時間。




ビジネスホテルにようやく空きを見つけ、無事に寝床を確保することが出来ました。


さすがに少し焦ったけど、自転車ゆえ多少郊外にでも移動すればきっと空きはあるだろう、と、なぜか気持ちは絶望的にはなっていなかった。
いや、疲れすぎてそこまで頭が回らなかったというのが正解かもしれないけど。(苦笑


でもさすがに今回は完全に油断しすぎだったかも。

昔、富山まで行った際は長野県松本市に一泊したんだけど、あの時はまだ15時頃の到着で、かつ学生時代だったから恐らく平日だったから空きがすんなり見つけられたんだと思うんだけど、今回もその時の基準そのままに「まーなんとかなるだろー」という姿勢だったから、こんなことになったのかも。。。

ちょっぴり反省。




自転車を再びバラして輪行袋に詰め、部屋にしまい込む。

着替えて風呂に入り、




遅めの夕食。もう23時だ。

ホテルから近場の店でもよかったんだけど、明日は観光!と完全に決めた以上、名古屋グルメに妥協はしたくない。
ということで




まずは味噌煮込みうどん。

ホテルから歩いて10分ほどの本店に行き、名古屋の地鶏であるコーチンが入った「名古屋コーチン入り味噌煮込みうどん」とビールを注文。

お値段、うどんだけでなんと2,200円!
そしてお味は…

これだけ疲れていれば、何を食べても美味しいに決まっているのです。(ぉぃ



歩くだけでもままならないヒザの痛み、そして疲労。
ただ、ひとまずは辿り着いたという喜びと、ビールの酔いもあって気分は良いほうだった。





翌朝。



07:30 起床。

よく、「枕が変わると寝付けない」と言われることがあるが、自分の場合はむしろ上質のベッドで、加えての疲労で、自宅以上にぐっすり眠れた。
だからもっと寝ていたかった。(笑)

が、観光予定は今日1日だけなので、早い時間から動きたかったのと、朝食無料サービスに誘惑されての早起き。

名古屋名物:「喫茶店で一品頼んだら食事がたくさん付いてくる」も試したかったんだけど、探すのがメンドかったのもあり。




食事を済ませ、荷物をまとめ、チェックアウト。
自転車は、、、フロントで預ける。

ちゃんと予約の時に預かってもらえることも確認済み。

自転車で街を移動することも、それはそれで良いし交通費も掛からないんだけど、交通機関を使って実際に歩くっていうのも観光のひとつ、と捉えたわけですよ。

あとヒザが痛いのもあるけど。




まずは駅に行き、帰りの足を確保。っとその前に




この奇妙な建物をぱしゃり。
「モード学園スパイラルタワー」と言うそうです。

モード学園と言えば、新宿にもコクーンタワーが出来たばかりですね。奇抜な建物を建てるのが趣味なんだろうか。




帰りの手段は新幹線・ローカル線乗り継ぎ・高速バス・深夜バスというように、いくつか手段が考えられたけど、今回は新幹線でさっさと帰ることに決定。
バスは昨今始まったETC休日1,000円効果による大渋滞で、猛烈に時間が掛かってしまうことがイヤだったので。




というわけで帰りの足も確保したところで、観光案内所で情報収集した結果、観光名所を巡る“市バス以上・観光バス以下”な「メーグル」を利用して、名所を何箇所か廻ってみることに。

東京にも日本橋や秋葉原、合羽橋そして両国を巡るバスがあるけど、この利点としてはいわゆる「観光バスツアー」のようにプランが完全固定ではなく、乗り降り自由でしかも1日に何本も走っているというところにあるかと。
ようするに、観光名所を巡ってくれる市内バスといった感じかな?

料金はその都度取られるけど、




こんな一日券を買えば乗り降り自由だし、観光名所の入場料も少し安くなったりもするので割とイイかも。




てなわけで車内は、連休効果もあってかギューギューの満員になった。
まぁ、名所を巡るたびにゾロゾロと降りていくんだけど。


で、




自分はまずベタなところで名古屋城。




多少雲っていたけど天候は良くて、何よりも昔撮影した大阪城よりも多少マシに撮れてよかった。
まぁデジカメの性能差によるところもあるだろうけど。(笑)




デジタルズーム35.6倍で金のしゃちほこもバッチリ。(何

と、それはさておき、さっそく中へ…




って、ずいぶんと混んでますな。
特にエレベーターが長蛇の列だったので、疲労困憊にムチ打って階段を頑張る。

で、辿り着いた最上階は




狭く混んだスペースに、二酸化炭素による高温に、土産屋に、




パッとしない景色しか無かったのでさっさと降りることに。



少し城の周りをたたずんだのち、再びバスに乗って



「名古屋テレビ塔」なる場所に移動。
東京タワーの小さい版、といった感じかな?

ここも展望台があったけど、有料なのと、あまり興味が無かったので入口を少し見る程度で次に移動。




テレビ塔すぐ近くにある「オアシス21」と呼ばれる複合施設のシンボル「水の宇宙船」。
地下鉄「栄」駅の中心に位置し、名古屋の繁華街のひとつらしい。


それにしても、何やら凄い人だかりだな。。。

ん?何かのアイドルのトークイベント?


あァ、AKB48か…って



「SKE48」????w


秋葉原→アキハバラ→アキバ→AKIBA→AKBに対して、
栄→サカエ→SAKAE→SKE

って事か。
そんなグループあるんだ〜


って、AKB48もよく知らんがw



まぁ記念に一枚撮っとくか


とカメラを構えようとした瞬間、スタッフから

「カメラ禁止です」


怒られちった。w





そろそろ腹も減ってきたので、地下の食堂街でひつまぶしか、味噌カツか…

と探していたところ、ひつまぶしの本格的な店は長蛇の列だったので、面倒だったのでそこそこの店で




味噌カツ。

なんか味噌モノばかりになっちまったな。まぁいいか。
美味しいには違い無いんだけど、最近は東京でもご当地料理が結構しっかりした品質で食べられるようになったから、逆に「本場でホンモノを食べた!美味しかった!」っていう感動が少し減ってしまうのも残念ながら事実。

いや、贅沢な悩みですね。




その後は少し街をブラついてみて、再度バスに乗るのも面白味が無かったので、わざわざ料金を払って地下鉄に乗ってみる。




って初乗り200円なのね。高っ。




感覚としては東京と全然変わらんな。




ちなみに興味のあった自然整列。

名古屋はどうやら東京と同じく、左側に並ぶらしい。
大阪のように右側に並ぶその境界線は、いったいどの地域からなんだろう?
それに、そもそもどういう経緯で並ぶ側が自然と決まっていったのかな?



名古屋駅に戻る。
駅ビルを歩いてみる。


…あまり興味が無い(爆




ドアラw

クライマックスシリーズ、頑張ってくださいw




そろそろ帰る準備をする頃合い。

自転車を預けていたホテルに戻る途中、ファイテンのショップで無料ケアをやっていたので立ち寄る。

チャリでここまで走って来たという世間話をしたり、ヒザの痛みの事を相談すると、いくつかグッズを勧められ、実際に使わせてもらった。
すると…

まるで魔法のように効果テキメンで、それまでの疲労や痛みが嘘のように和らいだ。

最初から「無料」に惹かれて、無料の範囲内でケアしてもらって帰る、というような考えは毛頭無かったけど、これにはさすがに驚いたのでいくつかのグッズを購入。


もしもっと早くから知っていれば、もしかしたら大阪まで走れたかもしれない…と多少の後悔をしつつも、初の名古屋観光が出来たという事実と、やっぱり疲れてるし〜という面倒くさがり根性でその前向きな気持ちをかき消す。(何




土産を少し購入し、新幹線のホームへ。




これまでの色々な経験や思い出が頭をよぎる中、新幹線がホームに入ってくる。


どんな波乱万丈な体験をしたとしても、新幹線は高速で日本中を結び、それを利用する客は、自分の思い出など意にも介さず、ただ自分の目的地へと移動するだけだ。

それは多少寂しい気持ちにもなるけど、考えてみればスノボーに行く時なんかは、「遠くまで来た!」という思いはあまり無く、滑る事に意識は集中しているわけだし、今回はその逆の立場に過ぎないだけなのかな…?と思うのも確か。




心配していた自転車の積み込みも、駅員のアドバイスを受けて、終点まで開かない側の扉付近に置かせてもらう。




17時間掛けて辿り着いた名古屋も、わずか2時間で東京に戻ってしまう。

あれだけ苦労した街並みを新幹線であっという間に巻き戻ししていくのはちょっぴり虚しい反面、会社員をしながらのこういった無謀な挑戦が実現できる証拠でもあり、ありがたき世の中になったものです。


その気持ちを察したか、隣に座った初老のオッサンと会話をすること1時間少々。
スピードだけを求める現在の世の中、それはそれで批判もあるけど、その恩恵を与っているのも事実。
何が良くて、何を大切にすべきか。その判断力は個々の知識や経験によって様々あるだろうけど、自分はそのどちらの気持ちも大切にしていきたいものだ、と思うのです。






というわけで今回は大阪まで行くという、自分で決めた目標をやり遂げることができずに激しく妥協したわけですが、まぁそのおかげで名古屋観光もできたし、残りはまた来年にでも走ればいいかなと。

東京〜名古屋であれば…夜行バスで行けば早朝着→早朝出発で明るい時間に大阪に着けるかな、などと、早くも妄想は尽きないですな。



ひとまずはお疲れさまでした。



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