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2011年9月

〜国道1号走破:完結編へ〜



前回、名古屋到達にて一時停止していた「国道1号を端から端まで自転車で走り抜く」という目標。

始点である日本橋から特に深い意味も無く、国道1号に沿って走ってみるという、単なる“思い付き”は、これまでの3つの区間に分けて走っているうちにいつしか「終点である大阪まで走り切りたい!」という明確な“目標”に変わっていた。
しかし、宮古島トライアスロン完走後、久しく長距離走行から離れていただけでなく、ヒザ・腰の不調もありなかなか実行に移せずにいた。

そんなこの年の秋の3連休。体調もだいぶマシになってきたので、天候が良ければ有休を1日付け加えて行こうと決めていた。
だが…
記録的な猛威を振るった台風が到来。
出発はその台風直撃の2日後の計算だから、きっと大丈夫だろうという想いの反面、通行止めや荒れた道路上のゴミなどの破片によるパンクが心配だった。
また気温も下がりすぎると、防寒のための荷物がかさばるのでこれも心配の種だった。だから時期やタイミング的にはこれがこの年のラストチャンスだった。




2年ぶりのスタートラインに立つまで


決行前日。
翌日の天気予報:晴れ。気温:名古屋25度・大阪26度。
コンディションは悪くない。

決めた。
金曜は仕事を終えたら急いで準備して、翌日にさっさと決行してしまおう。
決心。


金曜の晩、仕事を早く切り上げて、、、新宿のチケットショップを数件まわり、往復の新幹線チケット最安値の目星を付ける。

往路:東京〜名古屋指定席9,900円。
復路:新大阪〜東京指定席12,580円。

実は夜行バスという手段も考え、ギリギリまで探してみたもののどれも自転車積み込みNGだったため、手っ取り早く新幹線で行くことにした。始発なら比較的早い時間にスタート地点:名古屋に到着できるのもその決断の一因だ。

しかし…
チケット購入時、異様な緊張感。
本当に行くのだろうか・行けるのだろうかという不安からだろうか。
それとも自転車をちゃんと載せられるだろうか?という心配からだろうか。

だが何はともあれ、買ってしまった。もうやるしかない。
余談だがここ最近、決断が鈍るときはこうやってムリヤリその手段を先に確定してしまうことが多かったり。



荷造りを進める。


身体の調子は相変わらず良いとは言えない。ただ、直近の週末に100km弱走行が出来ていたので、きっと何とかなるだろう。
加えて、前回の名古屋到達後に知ったファイテンシールとテーピングの威力…宮古島トライアスロンで実感した威力。今回もこれを十二分に活用して、その恩恵にあずかることにした。



今回の走行ルート。



ルート確認方法はこれまでと同じく、「国道1号」の標識を見つけてはただそれに従って走るだけ。
今や時代はiPhoneやスマートフォンといった技術で、地図を持ち歩くことも無く即座に調べられる環境にあるが、持っていない&ここまで来てそれに頼るのも一貫性が無い。迷うのも旅路のひとつ。



新幹線乗車予定時刻を確認する。

05:18 新宿
05:38 品川着
06:00 新幹線のぞみ99号
07:29 名古屋着

と…調べたまでは良かったが、実は新幹線の座席自体はまだ確保していない。まぁ品川で20分あるし大丈夫だろうと思いつつ…早めの就寝をするのだった。

果たして、うまくいくだろうか。。。




国道1号制覇・完結編


04:00
起床。天候:曇り。昨晩また雨が降ったせいか、路面が濡れている。
軽く朝食をとって新宿まで自走。

05:00
新宿到着。輪行袋に自転車を詰める。ここまでは順調。

05:38
品川到着。乗客が多い。まぁこんな朝から新幹線に乗る客もそう多くは…



いや、新幹線乗客が多い。そして窓口に列ぶ客たち。出発まで残り20分の誤算。
しかしどうにか間に合う。座席も、車両一番後ろの通路側が確保でき、その座席後部の隙間に自転車を入れ込むことも無事成功した。





名古屋までの90分を、しばしの仮眠。

07:29
名古屋到着。戻ってきた。



戻ってきてしまった。
今なら間に合う。帰りの新幹線チケットを使って、帰ることも…
いや、それはよそう。ここまで来て今さら後ろ向きの思いをしたところで何も始まらない。



駅前で自転車を組み立てていると、同じ動機と志をもったオッサンに話し掛けられる。なんでも仲間数人と東京まで2泊しながら向かうとのこと。互いの健闘の言葉を交わし、それぞれの目的地に向かってペダルをこぎ始める。




08:30
前回離脱した国道1号地点に戻ってきた。いよいよここからが本当のリスタートだ。





ただ、、、少し風が強い。過ぎ去った台風の影響だろうか。
しかも向かい風。これはちとヤバいな…。

大津まで128kmの案内板が見える。
とりあえずはそこまで行けば…残り60kmとなればゴールが現実的なものになるだろう。



天候は、雲ひとつ無い快晴。
気分はすがすがしい。久しぶりの感覚。
スピードは抑えめ。いつも前半調子に乗って飛ばして後半バテるパターンが多いから、今回は例え車に煽られても抑えめのスピードをキープ。

しかし、それにしても信号待ちが多い。ゼロスピードからのスタートはその分ペダルを漕ぎ出す力が必要になり、体力消費の一因。だがこればかりは仕方が無い。


しばらく走っていると車線数も減り、街も郊外の景色へと変わり、信号も減り、、、
鉄橋を携えた大きな川を渡る。



もしやこれが台風接近時に、ニュースで放映されていた「大荒れの川」の現場だろうか。
思えば名古屋中心街の住人100万人に対して発令された避難勧告。
しかし今朝訪れてみて、その気配は微塵も感じられなかった。
川も穏やかだ。
この先もきっと、きっと大丈夫だろう。

09:30
川を抜けると「三重県」の標識が出た。まだ走って間もないが、県をまたぐと、これからやろうとしている自分の行動が何となく現実的なものに感じられてくる。
風向きは相変わらず安定しないが、少なくとも完全な向かい風よりはマシだ。




10:00
コンビニ休憩。まだ開始36km地点。かねてよりの疲労感が抜けず…。
ちなみに今回は道中最初からペースを抑えるだけでなく、約2時間おきで休憩を取る作戦でいくことにしている。

11:30
鈴鹿市突入。向かい風が強くなってきた。



ところで鈴鹿と言えば鈴鹿サーキット。走る車もどこかスポーツカーっぽいものが増えてきた気がする。
ナンバープレートも、「名古屋」から「三重」そして「鈴鹿」といった名称が増えてくる。
寄り道してサーキットを見てみたいとも思ったが、自転車では少し離脱距離が長そうだからそれは断念することにした。

12:00
亀山バイパス内休憩所にて少し長めに昼ご飯休憩。



向かい風強すぎ。
店の旗がびゅーびゅーなびいている。
ちょうど、お土産屋や食事処が集まっているからだろうか、大型観光バスがやってきては客を乗り降りさせている。またバイクのツーリング客や家族連れの車が多い。
そんな中、一台の自転車そして一人の自転車乗りが似つかわぬ場所に立つ。
…異様な光景や眼差しに、妙な快感を覚えるのはやはり自分がMだからだろうか。(笑)

ちなみにここまでの走行距離:まだ70km。



まだまだ先は長いが…まだ鈴鹿峠すら越えてないのにこの疲労。ちゃんとゴールまで辿り着けるだろうか。
…辿り着けなかったら京都あたりで一泊して、明日ゴールしようか。
そんな妥協心が次第に大きくなってくる。

13:00
鈴鹿峠入り。斜度は6%程度ながら、向かい風が体力を奪う。



試しに足を止めてみる。

自転車が止まる。
当たり前か。

足の疲労感に加え、骨盤付近…両足の付け根のあたりが妙なピリピリ感を覚える。こんな感覚は初めてだ。このまま足が死んでしまうのだろうか。
進めなくなるのだろうか。
足が重い。
風が…強い。

そんな心配をしながらも、ただ前を目指し、ひと踏みひと踏みを重ねてゆく。




13:30
鈴鹿トンネルを抜ける。するとそこには「滋賀県」の標識が出ていた。
どうにか鈴鹿峠は越えられたらしい。
ここからしばらく、大好きな下り坂を高速で飛ばしていく。



14:00
休憩。当初、2時間おき休憩の予定だったが、先の休憩からまだ1時間しか経過していない。だが、この風であともう1時間続ける意思が無いらしい。



気温は23度。標高が高いからか、風がやや冷たい。日向にいると暖かいが、日陰だとやや肌寒い。
この後気温は下がってゆくだろうか。
下がる前に少しでも前に進んでいたい。

走行距離:90km。
残り、100km。




15:50
琵琶湖付近で休憩。って肝心の湖は見えないけど。



そういえばこの90分は山も谷も無く、また嫌気がさすような向かい風もだいぶ弱まったせいか、黙々と走っていた。疲労に身体が慣れた、いわゆる「セカンドウインド」状態だろう。ヒザや腰の調子も悪くない。いや、悪いなりにそれに身体が慣れてしまったのが正確なところだろう。
気温はだいぶ下がってきた。
Tシャツを重ね着してアームウォーマーを装備し、これに備える。

走る車のナンバープレートも、「名古屋」「三重」はすっかり見当たらず、「滋賀」「京都」「なにわ」「八王子」
…八王子?
もしやこの連休を利用して「国道1号を最後まで走ってみようぜ〜」みたいなことをやっているのだろうか。
妙な親近感が沸く。



はて、今日はどこまで行こうか。頑張ってゴールまで行くべきか、それとももう少し行ったところで今夜の寝床を確保して、明日改めてゴールを目指すか。
どちらにしても明日の夜の新幹線で帰る予定だから、どちらのプランでも良いのです。


16:20
標識に初めて「京都」の文字が現れる。しかも距離:26km。そこから大阪までの距離にもよるが、このまま最後まで行ってしまおうか…?
前向きな気持ちが芽生える。



17:15
陽も傾き、次第に寒くなってきた頃、ついに「大阪55km」標識出現。理論上は21時くらいには着くだろうか。



ちなみに、例によって宿の手配はしていない。(笑)
まぁ…なんとかなるっしょ。

17:30
京都入り。セカンドウインドはまだ続いている。あれほど辛かった上り坂もわりと大丈夫。足の付け根のピリピリ感も全く無い。
加えて、何年も前に観光で訪れた場所を今は自転車で走っているという実感。
テンションが上がる。



観光名所は多いが、すべて素通り。
せめて京都駅と京都タワー近くくらいは通って写真を撮りたかったが、今いる国道1号からは少し離れたところにあったので我慢。
夕陽が醸し出すお寺のシルエットを背景に、目的地に向かって自転車を飛ばす。

今日、ゴールする。
決心。




18:30
すっかり暗くなった。気温も20度ほどまで下がって肌寒い。ただ、調子は相変わらず良い。
思えば、去年の宮古島ロングディスタンス トライアスロン、レース直前まで最悪のコンディションだったものが、完走後しばらくはそれが嘘のように調子が良かった。あれもひょっとしたら、大きなセカンドウインドの一種だったのかもしれない。



大阪まで、残り40km。あと2時間。

20:00
大阪市街。見慣れた、そして懐かしい地名が現れては次々にこれを通過してゆく。
京都を過ぎたあたりからはほとんど平地か下り坂。ここまで頑張った自分へのご褒美だろうか。
ほとんどウイニングラン。

ゴールまで残り、10km。



さて、前回の富士〜名古屋走では到着後の宿の手配をしておらず、同僚の原田氏に電話して探してもらった。
今回は…同僚の川田氏に京都通過あたりから探してもらっていた。
そして明日の新幹線乗車の新大阪駅近くの宿を予約してもらうことができた。
地上500kmを超越して繋がる人の絆。技術に、そして連休ゆえ満室が続く中で見つけ出してくれた川田氏に感謝。

そして…







20:50
ついに、ついに国道1号の終点に辿り着いた。。。



ただ、数年前に2ヶ月ほど仕事で滞在していたためか、だから見慣れた光景だったためか、懐かしいと思いこそしたものの不思議と気持ちは落ち着いていた。





走行距離:196km
純走行時間:約9時間
平均速度:21.9km/h





街は…自分の行動など当然ながら意も介さず、ごく平常の光景が広がっていた。
輝くネオン、喧騒、街の息吹…

そして充実感に満たされた男がここに一人。


全行程565kmの旅は、無事終着点に辿り着くことができた。。。

4区間に分けて達成した国道1号走破、しかし今回のような無茶な強行走行も、ひょっとしたらこれが最後になるかもしれない。そう思って臨んだだけに、今日で無事完走できて本当に良かった。
重ねゆく年齢、抜けない疲労、実を固めるという頃合い。

べつに、「国内4大ロングトライアスロン完走」という生涯目標を諦めたわけではない。
ただ、年齢・気力・体力・自由時間を考慮すると…
いや、考えるのはよそう。人間、限界を自分で作ったところで、それは全く無意味な事だ。
むしろ今は、あれほどまで最悪なコンディションに陥ってしまっている現在において、セカンドウインドそして196kmをまだ走ることができる。その事実に喜びを感じているのだ。

自分はまだまだやれる。

大丈夫。すべてはきっと、うまくいく。




宿に向かう


ゴール到着後、川田氏に無事予約してもらった宿に移動する。


駅前ではストリートミュージシャンが曲を奏でていたり、駅を利用する乗客でひっきりなしにごった返していた。そういった風景はどこの街も変わらず、しかしその場に似つかわない自転車乗りにとってはようやく辿り着いた安堵感で満たされていた。


宿に移動する途中、今の仕事で常駐している会社の、大阪支店に寄ってみることにした。
当然ながら休日の夜ゆえ誰もいなかったけど、普段電話かメールでしか接する機会の無い人たちが「普段ここで働いているんだなぁ」と、少し感慨深いひとときを過ごした。


国道1号のゴールである梅田の繁華街から、宿の近くである新大阪駅に移動。やはりこちらは少し寂しい感じがするなぁ。。。


宿にようやく辿り着く。長旅の疲れを癒すことも考慮して、なんと温泉付きの宿を川田氏が取ってくれた。


フロントでのチェックインも極めてスムーズで、自転車の部屋持ち込みも許された。また翌日、一日市内観光をするためにフロントで自転車を預かっていただくことも快諾していただいた。(ちなみに部屋持ち込みはタイヤをぞうきんで拭いて、フロント預かりは輪行袋に詰めて、というスタイル。)


自転車装備をすべて外し、ふと日焼けの状態に目をやると、9月とは言え一日中屋外にいたためか、結構な日焼け跡が。ただこの日焼け具合が物語るように、完全なテーピングとファイテンシールのおかげで道中そしてゴール後の今も、前回大阪到着時のようなヒザの激痛には悩まされることがなかった。ありがたや。


ゴール後、何も食べていなかったのでとりあえず近隣のお店に。と言ってもどうもこのあたりは目ぼしい店が無く、こじんまりした地元の飲み屋に行って、ハンバーグ定食と…ビールw
長旅の疲れもあってか、このビールがあまりにも美味しくて、写真を撮ることに気付いたのは飲んでしまった後からだったw


少し待って、お待ちかねのハンバーグ定食。美味。



その後宿に戻り、温泉に入って…

長かった一日が終わっていく。。。




8年ぶりの大阪一日観光



翌朝。
宿で出されたバイキング式の朝食を取る。朝から街にくり出して大阪グルメを堪能することも考えたけど、まぁ案の定の寝坊w


ただ、その量はあえて少なめにしておく。本番はこの後だからね。
と言っても8年前に2ヶ月滞在したことがあったからそこまでガツガツするつもりは無いけど。


荷造りをして、荷物をフロントに預け、まずは新大阪駅に向かって帰りの足を確保。
東京に戻る時間も考慮して、19時過ぎの新幹線の座席を確保。往路と同じく車両一番後ろの座席を確保し、その後部に自転車を詰める作戦。

観光の準備万端。これで気兼ねなく一日をぶらつくことが出来る。


というわけで早速、地下鉄一日乗り放題乗車券を購入。大阪はJRよりも地下鉄のほうがアクセスしやすいのだ。


さて、どこに行こうか。
滞在時間は短い。かつての滞在の記憶に思いを巡らせ、その記憶を遡ってふたたび訪れることが今回の主な目的になりそうだ。


懐かしい電車に乗る。このあたりは東京も名古屋も、どこも変わらないな。


秋の空のもと、自力ではなく他力を借りて場所を移動する。文明の偉大さ。


昨晩ストリートミュージシャンがいた梅田駅〜大阪駅に到着。


あれ、こんなところにこんな立派なエスカレーター、あったっけ?
時が流れれば街も変わってゆく。


ふと、このあたりの家賃の相場が気になった。ちょうど家の引越しを考えていた時期だったので見てみると…


最安値…これは安すぎる…


大阪駅前ビルの地下街を歩く。かつて滞在中お世話になった数々のゲーセン(笑)に軽く足を踏み入れていたが、この店でも当時beatmania IIDXのインターネットランキングをやったなぁなどと思っていたら…


なんと3台も。しかも新作がちょうど出たばかりとあって、開店間もない時間にも関わらずこの人付き。
ただ、待っている時間ももったいないないし、東京に戻ってからいつでも出来るので今回はプレーせず。


大阪名物、斜め上をゆくポップ。今回見つけたのは残機サービス台。命MAXって…w


地下街を出る。上り階段のキツさに、昨日のハードさを体感する。


昨晩のゴール地点に今一度立ってみる。


歩道橋に登り、国道1号の終点を上から眺めてみる。

ひっきりなしに往来する車や人、バイク、自転車。
そう、ここは単なる大通りの交差点。長い長い年月を掛けて作り上げられたこの全長565kmの行程も、その長い年月を経た現代にあっては道をつなぐ1つの地図に過ぎない。
ただそれを言ってしまえば、国道1号に関わらずどの道にも歴史があり、それに対して想いを馳せる人が少なからずいる。自分も普段の生活で何も意識せず道を使っているのと同じように、ここも何事も無く様々な人が往来する交差点が広がっていた。


国道1号のゴールは国道2号のスタートでもあった。果たしてここをスタート地点として立つ日は来るのだろうか。


御堂筋の横断歩道を横切る。東京と違って大通りでも一方通行の多い大阪。そのぶん車の走行もラク…なのかな?


昨晩は常駐先の会社の大阪支店に行ったが、今日は自分の会社の本社の入ったビルに訪れてみた。
今の会社に入って6年目。しかし本社にはいまだ何気に行ったことが無い。

見慣れた会社のネームプレートを見つけ、エレベーターに乗り、入り口まで入ってみる。休日ゆえもちろん誰もいなかったが、少しだけ本社の普段の様子が想像できやすくなった…気がする。


大阪名物、巨大な商店街を歩く。そして…


戎橋、グリコ看板の前に再び立つ。


もちろんここは観光名所になっている。ひっきりなしに記念撮影をする観光客。賑やかな街。


かに道楽本店。


カールおじさんもデカい。


圧倒される立体看板の数々。


あらまぁ、ずいぶんと立派なたたずまいになったもので。


小腹が減ったので、たこ焼き〜♪


6個で300円。大阪が安いんじゃなくて、東京が高いんだよね。。。




思い出の地・SEGAアビオン - 斑鳩との再会


商店街を下り、難波まで歩いてきた。

期待を胸にしたその足は次第に早まっていき…


思い出の地、SEGAアビオンに再び辿り着く。
かつて斑鳩HARD2800万を目指し、仕事を終えては家と逆方面に電車を乗り継いでその夢を実現せんと勤しみ、出張期間終了間際でようやく達成することの出来た思い入れの強い店。

そしてそれから数年後、地元プレーヤーによって達成された最終保持スコア:3544万がマークされた店でもある。
もちろんその人物とは面識が無いが、同じ斑鳩、同じHARDモードという想いが、再度訪れる期待感を高まらせていたのだ。


ややドキドキしながら店に入り、店内を練り歩く。
すでに発売から10年。いくら全一最終スコアが保持されているとは言えもう無いのではないかという心配。。。

案の定、かつてプレーした同じ場所には無かったが…


ぐるりと一巡した店内の最後の場所に無事見つけることができた。
そして…




しばしの感慨。

感激のひととき。


全ステージのランキングを確認する。トータルスコアはもちろん、全5面のどれを比較しても、当然ながら自分の最終スコアではそのランキングに食い込むこともできなかった。苦笑。

蘇る当時の記憶。
2800万という目標をあと僅かにしてこれを逃す日々。
奈良県生駒郡斑鳩町に訪れ、斑鳩神社に参拝し、その翌日に達成した目標。
東京に戻り、最終的に3263万まで到達しての終了宣言。


それ以来、一切プレーしなかった斑鳩。
伝説の地でその封印を解こうかと一瞬迷ったが、パターンも完全に忘れた今においては醜態をさらすような、後味の悪さを残すだけだと考え、それはやめておいた。


大阪出張の最終日に書き込んだコミュニケーションノート。時代は流れ、かつてのノートはさすがに残っていなかった。
だが今日の訪問をまた足跡として残しておくことは出来る。そこで…


再会の喜びと感謝を書き残すことにした。
いつかこれを再び見ることはあるのだろうか。
そのときはどのような境遇でここを訪れるのだろうか。



店を出る。
8年前にタイムスリップした僅かなひととき。
店の外の景色、街の喧騒感が身体の疲労感を思い出させ、現在に時を引き戻す。
記憶は懐かしい思い出となり郷愁感となって、その思い出を大切にしつつも前に進まなければいけない現在に舞い戻る。

楽しかった思い出に留まり続けたいという想い、しかし思い出だけに停滞していることもできない。
大切な思い出はしかし、次に進むための原動力になる。

淡い記憶に感謝と別れを告げて、前に進む。




新世界にやってきた。
かつてよく通ったゲームセンター「キューティ」。残念ながら時代の流れもあってその場にその店は無かったが、通天閣や店の喧騒はかつてのままだった。

さて、以前は勇気が無くて出来なかった「串かつ屋に入りこれを食べる」こと、これも今回の訪問目的のひとつに掲げていた。
だが…
数店舗を歩くもなかなか決心が付かなかったが…
とある店の呼び込みに応えて意を決し、中に入る。


メニューもいまいち分からない。こういうときは一番左上にある代表的と思われるメニューから数個注文する…のだが、
いやはや、店主がちとコワモテ(滝汗


数分後、頼んだメニューが出てきた。あれ、こんなに小さいの?まぁいいか。
二度浸け禁止というタレに串を突っ込んで食べて、
ノドが乾いたけど水を要求する勇気も無く(ぇ
そそくさと食べてお会計。

「お会計お願いします。」
「あい、おあいそ。」

「おあいそ?えっと、お会計。」
「…」

あ、そっか大阪ではおあいそって言うんだっけ。
思い出したのは店を出てからだ。

って、料金350円。
妙な客だと思われただろうな。まぁ旅の恥は掻き捨てって言うからね、いいんです。(苦笑



さて、今回の観光についての目的はわりと達成してしまったので、なんとなく通天閣に登ってみようと思ったものの…


なんと60分待ちの大行列。あれ、昔行った時は全然待たなかったのになぁ。
まぁ今回はそこまで「行きたい!」わけではなかったのでスルーw



通天閣を後にする。って、なにやら工事中だな。



通天閣に費やす予定の時間が空いてしまったので、大阪城に行ってみることにした。
以前行った時は城の中までは入らなかったし、写真も当時の安フィルムカメラで撮った、あまり出来栄えの良くないものしかなかったので、今回のデジカメでちゃんと撮っておきたい、という想いもあり。
ただ…時間が午後3時近くと、、、少し写真を撮るには陽が傾いてきちゃったかな?いささかの心配。




てなわけで到着。


 

天候は大丈夫そう。快晴にも恵まれ、少なくとも前回よりはだいぶマシな写真が撮れたかなと。



拝観料を払って中に入る。


案の定、観光客で最上階へのエレベーターは長蛇の列。

だが昨日の今日のわりには体力は比較的残っており、階段で登ることもさほど苦ではなかった。
むしろ、途中の階にお城ゆかりの展示物が飾っており、博物館のようになっていたのでそれを見ながら進むことも出来たし、ただただ階段を登るよりもだいぶ気分転換になったから結果オーライ。

そういえば、前回の富士〜名古屋走の時はゴール後、ヒザが完全に死んで歩くのもキツかったくらいだったけど、今回はその名古屋滞在ラストでファイテンのショップで教わったファイテンシール、加えて宮古島トライアスロンで絶大な効果を発揮したテーピングという組み合わせを今回も仕込んでいたため、走行ペースはゆっくりだったとは言え、翌日へのダメージ蓄積はそこまで極端では無かった。
今後も長距離系走行の際は活用しよう。


最上階に辿り着く。
かつて訪れた名古屋城のようにここもお土産屋が狭い場所をさらに狭くしていたが、こちらは名古屋城とは違って外に出ることができた。なぜか一面金網で覆われており、景色がややもったいない事になっていたけど、そもそも大阪の街並みをあまりよく知っていないのでそこまで残念な気にはならなかった。








ぐるりと周ってひととおり写真を撮って、地上に戻る。

さて、どこに行こう。
来た時は「森ノ宮」駅からだったから、今度は反対側の「大阪のビジネスパーク」駅から乗車して場所を移動することにしてみよう。

さて、、、
うーんと…そうだな、京橋に行ってみるか。昔出張で来ていたときはたしかゲーセンがあって…ってまたそれかいw

それにしても自由時間が一日だと、やはり行けるところが限られていてちょっぴりもったいないな。
まぁまたいつかゆっくり行くような機会があれば、USJやら海遊館なんかにも行ければ。。。


ところで前回の出張時に印象にあったこの長堀鶴見緑地線。何がって、


車両の小ささだけでなく、車体の屈折。東京も地下鉄大江戸線なんかが屈折してるけど、これは窓も屈折してるのです。
平らな窓ではなく、わざわざ曲げた状態の窓を作るあたりに何かこだわりがあるのか、妙に印象に残っていたのです。

とか思いながら、京橋到着。
でも、あれ…?こんな所だったっけかな?記憶が曖昧…。
とりあえずゲーセンを見つけたけど記憶にあるゲーセンとは少し違う気がしないでもない。まぁあれから何年も経っているし、むしろ当時そのままだったSEGAアビオンのほうが珍しいのかも。
で。せっかくだからbeatmania IIDXを1回やって、ただそれだけで京橋を後にする。(ぇ




さて、残り時間も微妙になってきた。
とりあえず心斎橋に戻る。

そいやまともな昼ご飯を食べた記憶が無かった…いや、大阪グルメのためにお腹を空けておいたのさ。(汗
なので…関西風のうどんを食べるべく、商店街にあった蕎麦屋に入ってみる。

メニューはオーソドックスにキツネうどん。
って、なぜか待ってる時間、スポーツ新聞も席に置かれるw


内容はもちろん(?)、阪神タイガースが一面の紙面。


待つこと数分、お待ちかねの(?)キツネうどん。
感想は…いや、今や東京にいながら全国のグルメが手に入るご時世。嬉しいかな悲しいかな、ご当地を実感するには少しオーソドックスすぎたかも。
ま、まぁお腹が満たされたからいいーんです。


店を出て、難波から本町まで続くこの長〜い商店街を、その本町側の終点まで歩いた頃、そろそろ帰りの新幹線の時間が気になる時間帯になってきた。
自転車は昨晩宿泊した宿に預かってもらっているので、これを回収する時間も考慮して、直接新大阪まで戻ることに。


そして宿にて自転車と荷物を回収。さまざまな厚待遇で出迎えてくれたスタッフに感謝の言葉を述べ、宿を後にする。

預けるために輪行袋にバラして詰めた自転車。駅までの距離はさほど離れていないが、これをかついで行くにはちょっぴり骨が折れる。
でも、自転車を組み立てて、またバラして…をするのも面倒だったのでここは頑張って輪行袋のまま持って行くことに。


駅到着。
帰りの駅弁を買い、本屋に行ってヒマ潰し用の本を購入。

お土産も買って、いざホームへ。



新幹線が入ってくる。
こうして帰りの「足」を目の前にすると、長かった旅路もこれで終わりなんだなぁ…と、少し寂しい気持ちになる。。。

車内に乗り込む。


車両最後尾に取った指定席。自転車もその後ろのスペースに無事セット完了。



4年に渡る長い長い旅路はこれで無事完結という終止符が刻まれた。




エピローグ


何気なく、日本橋〜小田原を自転車練習の一環で走ってみた。
小田原到着が早かったから、少し足を伸ばして箱根を越えてみた。

国道246号走行が物足りなかったから、という動機で国道1号に合流し、前回の続きを富士まで走ってみた。
そんな頃から、国道1号の走破を具体的に意識するようになった。

それまでは単発・単発の自転車練習がアタリマエだったけど、こういった「前回のスタート地点まで電車で移動しての走行再開」というのは今回が初めての試みだった。
距離もさることながら、その移動手段を考えるのがわりと大変だったけど、こうして無事ゴールできて本当に良かったと思う。



次なる目標はまだ具体的には決めていないけど、国道17号をひたすら走って、スキー場巡りをしながら越後湯沢あたりから新幹線で帰る、なんかも面白いかもと思ったり、いっそのこと大阪〜九州まで延びる国道2号や東京〜青森まで延びる国道4号の走破等々、繋ぎ繋ぎで日本一周とか…いやはや、妄想は尽きないですな。

年齢も重ね、だんだん体力はキツくなってきた。けど、お金の面は以前よりは若干ラクになった。
双方をうまいこと活用して、やりたいことをやり遂げ続けられるよう、、、そして常に掲げている「生涯現役」という目標を胸に、次のステップに繋げていきたい。

そう強く願った今回の旅路は、それを実現させるにふさわしい裏付けになったのではないかと、、、思うのです。



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