>> IRONMAN Gurye: Korea 2018 参戦記 <<

〜 レース準備 - 世界から集まる鉄人(なかま)たち 〜


9月7日 金曜日。
8時すぎ、起床。


窓を開ける。
真っ暗だった昨晩とはうって変わり、目の前に広がる自然の風景。



あァ、山が見える。
そして路面が濡れてるな。
どうやら雨が降ったらしい。

まだ少し小雨気味だろうか?けど、たまに歩いている人は傘をさしていないから、このあと晴れるといいが。

ていうか「モーテル」というだけに、「モーター」つまり車を前提としたホテルで、しかもこの先は登山の観光地らしく登り坂があるから、なおさら今回の宿泊地選択はイマイチだったかも。。。
ただ、せめて雨が降らなければ、自転車でなんとか移動できそうだから、どうか晴れてもらいたい。。。


昨日の空港で多めに買っておいた食料を口にしながら、荷物の整理。
テレビを垂れ流ししつつ、ハングル語に耳を慣れさせる、、、いや、慣れることは無いか。
名探偵コナンの映画版の番宣特集なんかは、単語の端々に日本語が出でくるから、そのへんは何となく面白いかも。




そして気になる天気予報。
自分のいる地域が、画面上のどこになるのかがイマイチ分からない。
Guryeのハングル語表記というか、そのカタチを一生懸命見比べつつ、なんとなく「あたり」を付ける。



たぶん、このあたりかな?
天候は曇り、か。
降水確率は微妙だな。。。


と、あまりダラダラし過ぎもよくない。
荷物整理もそこそこに、BIKEジャージに着替え、試走の準備。
予想外の出来事で慌ただしかった昨日までと違ってようやく、レースに向けた慌ただしい動きをすることができる。



今日のタスクは、
・18時までに選手受付
・15:40からの日本語版レースブリーフィング
・17:30からのウェルカムパーティ
の3つ。
そしてこれに付随して、シャトルバスの乗車場所の確認や明日の食料確保、そして最終日のGurye脱出手段を探すこと、だ。


10時半すぎ。
そろそろ行くか。

BIKEをエレベーターに載せ、1階へ。



ロビーを出て、外に出る。
幸い、雨はすっかりやんで、路面もだいぶ乾いてきた。

まずはシャトルバスの乗車場所の確認を兼ねたBIKE試走。
昨日頑張って組み上げた愛車が何事も無く、走ってくれればよいのだが。





と、目の前を数人の選手が通過してゆく。
その姿に、なんとなくホッとする。



異国の地に来て、想定外の出来事に翻弄されたけれども、ようやく本来の目的に向かい始めることが出来る、という安心感だろうか。

軽く挨拶をして、いざ、 BIKE乗車。


初めての海外BIKE走行。
初めての、右側車線BIKE走行。

走り出しこそ若干の違和感を覚えたが、それもすぐに慣れる。
まぁ、油断していると無意識に左側走行をしてしまうかもしれないから、そこは気を付けていよう。


乗車場所のJirisan Information Centerまではどうやら、ゆるい登り坂が続くようだ。
けど、さほどたいした傾斜ではないから、歩くには問題無さそうだ。




何も無い山道。
ときおり、カフェやレストランらしき店がある。
泊まるホテルにはレストランは無いけれど、このあたりなら徒歩圏内だな。

少し進むうち、店が少しずつ増えてきた。
ハングル語オンリーの看板はその内容は分からないながらも、まぁ、だいたい何となく見当はつく。


おっ。
シャトルバス乗車場所の案内板だ。




そしてその少し先、Jirisan Information Centerに到着。






距離にして1kmちょい。
よかった。これなら徒歩圏内だ。



この後いったんホテルに戻って、徒歩でバスに乗ってメインスタジアムに行こうと思っていたので、この距離にひと安心。


観光地ゆえか、さびれていつつも、店はそこそこある。
コンビニらしき店は無かったけど、韓国料理店もあるから、いろいろな意味でとりあえずは何とかなりそうだ。





ここから先は本格的な山道になりそうで、進んでも意味が無さそうだ。
昨日、ホテルのオッチャンが教えてくれたあたりまで走ってコンビニでも探してみるか。

というわけでUターン。


下り坂は、やっぱり気持ちいい。若干の肌寒さはあったけど、このあと時間が経てば気温も上がることだろう。

途中、商店やバンプや、IRONMAN開催に関する横断幕を眺めつつ、まっすぐ下る。

  

小学校や交番、そして小さな銀行はあったけど、コンビニやレストランは無さそうだ。





そうこうしているうちに下りきり、大通りに出た。

えぇと、たしかここを右だったかな。




何となく記憶した地図にあったとおり、高速道路のジャンクションらしき場所に出る。



はて。
事前の情報収集の際、地図を確認するたびにこの地形はよく目にしていたけど、こうして実際に目の当たりにすると、どう走ればいいか、よく分からない。
いや、ほかの車と同じように行けばいいだけだけど。




念のためいったん止まってオフライン地図アプリとGPSで、改めて現在地と方向感覚の確認。

と!
TT BIKEに乗って颯爽と走り去る選手が
「This way !」
と声を掛けてくれた。

メインスタジアムはこっちだ!という事かな。
ホントはコンビニを探そうと思っていたけど、まぁいいや。
何となく彼につられて、同じ方面に向かって走ってみよう。


片道3車線。
そこそこ交通量は多いようだ。
果たして韓国では、自転車は車道のどんな位置を走ればいいんだろうか。
その優先度は。

まぁ、とりあえず右端をゆっくり走っていれば文句は言われないだろう。きっと。


信号で車が止まる。
右端は右折レーンか。
えっと、、、

おや。
あれはIRONMANフラッグじゃないか。




ここを右折する先に、ずっと並んでいる。
こっちだったっけ?
まぁ、なんか盛り上がってきたから、ちと右折してみよう。

IRONMANフラッグに導かれるように、道を進む。
ゴツゴツしてあまり整備のされていない、片側3車線の道。

オートバイがぶおーんと走ってゆく。
相変わらず、その多くはノーヘルメット。

しかも2ケツするその後ろには、相変わらずのもじゃもじゃヘアーのオバハン。



そうだ、前回の釜山旅行のときにも思ったな。
どうして韓国のオバハンは、例外なくみんなもじゃもじゃなんだろうw

道なりに進むと、、、
おや、なんだか賑わってきたな。
これってもしや。。。

というわけで、メインスタジアムに着いてしまった。
イメージしていた方向感覚とは違っていたけど、なんかラッキー。
距離にして、ホテルから5kmくらいだろうか。意外と近かったな。





当初の予定ではJirisan Information Centerに行ったあとホテルに自転車を置いて、再び徒歩でJirisan Information Centerまで歩いて、んでシャトルバス「Bルート:Masan地区〜メインスタジアム」に乗って選手受付、そしてそのまま日本語のレースブリーフィングに出て、そのあとウェルカムパーティ参加。
というプランだった。

なのでこれはこれで予定外の到着だったけど、幸いにも選手受付に必要な荷物は持参している。
旅の予定外は想定内だw
だからここも臨機応変。このままチェックインしてしまおう。





IRONMAN EXPO





巨大なIRONMANのエムドット。
物販エリア。
そして栄光のフィニッシュゲート。

ようやく…。
ようやくここまで辿り着くことができた。
自然と笑みがこぼれる。

多くの選手が、この日のために鍛錬を重ね、そしてここに集(つど)う。
この2日間の出来事に目的を見失いかけたけど、やはり、IRONMANはこうでなくちゃ。



BIKEをとめて、ゲートをくぐる。




その先、ボランティアに案内される。
まずは誓約書を記入するためのテントに向かう。




その中央のテーブル、乱雑に置かれた用紙を一枚取る。



もちろん中身は英語。
ざっと読んで、、、いや、予想して、これにサイン。


ふたたびボランティアに案内を受ける。
たどたどしい英語だが、少なくとも自分よりは上手い。
ちょっぴり悔しい。


物販ゾーンを軽く眺めながらこれを通過し、奥の受付に誓約書を持っていく。



アニョハセヨ〜。




IDは持ってる?
英語でそう聞かれ、パスポートを見せる。

サラッとチェックをパスし、IDバンドを受け取る。




って、番号は手書きかい〜w


そしてトランジッションバッグやBIB(ゼッケン)ナンバーカード、それから参加賞を受け取る。

カムサハムニダ。

 



実は日本国内のロングレースの多くはそれなりのレース完走実績が必要で、特にアイアンマン北海道の時はレースの完走証コピーを受付時に見せる必要があったけど、今回は特にそういった資料の提出は求められなかった。
なので若干不安ではあったけど、これで無事、スタートラインに立てることになった。


参加賞はIRONMANロゴの入ったトランジッションリュックだ。




事前にIRONMAN Guryeレースの情報収集をしていた際に見た、去年のリュックと全く同じやつだな。
けど、この類の購入を検討したこともあっただけに、これは嬉しいかも。
もちろん、しっかり出来ていて、質も良さそうだ。


お次はSWIMキャップの受け取りと、スタートグループの申告。

今回のレースは4人ずつが5秒おきにスタートするという、ローリングスタート形式だ。
全員がいっせいにスタートするというのは、それはそれで壮観だけど、水中でのバトル回避を考えると、少人数でのスタートというは割と良いシステムだ。




グループは8つ。

事前に考えてはいたけれど、ここにきて若干の熟考。
レース全体を考えたとき、トータルの制限時間こそスタートタイム順にスライドするけど、BIKEとRUNそれぞれの終盤にある関門は全員共通の時刻でバッサリだから、あまりのんびりもしていられない。
とは言え、よほどのトラブルが発生しない限りはそれに引っ掛かることは無いはず。

少し迷ったが、やはり当初の予定通りでいこう。
ベースにして、100m2分ジャストより若干遅い、1時間20分の「Cグループ」。
先頭から3番目のグループだ。

SWIMはやや苦手な部類だけど、全体のタイム別グループを見ると、比較的前のほうらしい。
それに今シーズンはかなり基礎からやり直したし、その成果も出てきた。
だから、ここは自信をもって臨んでいこう。

グループを伝え、SWIMキャップを受け取る。
これで選手受付は完了だ。





さぁ、ここからはEXPO会場の記念撮影&物色タイムだw

まずは受付近くにどどーんと構える、参加選手全員の名前が刻まれた巨大なボードから自分の名前を探し出す作業。



アルファベット順とはいえ、さすがにハングル読みの?難解な名前が多い。
そして自分たち日本人は、姓が先なのか名が先なのかも分からず、とりあえずその両方のイニシャルで探して、、、

あった。「名」のほうで載っていた。
記念撮影パシャリ。





その奥には、この後に開かれるウェルカムパーティのドームがある。
その中では、忙しそうに準備が進められている。



数時間後には、世界から鉄人たちがここに集結するわけだ。
楽しみ。

それにしてもこのドーム、しっかりしていそうだけど、あくまでも普段はサッカーのピッチのはず。
今回のために作ったんだろうか。
作ったんだろうなぁ。


そして。
その会場のすぐ隣にそびえ立つ、栄光のゴールゲート。





果たして無事ここに辿り着けるだろうか。

いや、今回はかなり自信がある。
もはや完走はその目的ではなく、その結果に過ぎない。
この10ヶ月間の鍛錬、そして国内5大会の完走を経て、その闘いの目的は「いかに攻めの走りができるか」にシフトしてきた。

特に今回のコースは比較的フラット。
気温も問題なさそうだ。

しっかり走って、最後まで守りには決して入らない。
そうしてやり切ったその先には果たして、どのような結末が待っているのか。

その時に見えるこのゴールの光景は。

それが今から、楽しみだ。


想いを改めて認識し、その姿をパシャリ。




※再生ボタンをクリックするとEXPOの様子の動画を再生できます。右クリックでダウンロードも可能です。(85.7MB)




それから物販を撮影しつつ、そのラインナップを眺める。

 

日本のレースはどの会場もだいたいいつも同じような内容だけど、それは韓国も大差ない。
けど、やはりメインはMade in Koreaが多いようで、特に補給食は日本ではあまりお目にかからないブランドがほとんど。
まぁ、当たり前といえば当たり前か。

毎回、補給食はあらかじめ買って、BIKEと一緒に送っちゃうんだけど、今回は自分で運ばなければならないから、少しでも荷を軽くするために、これを現地調達することも考えた。
けど、こうしてラインナップを見ると、本当に自分が買いたいものが果たしてどれなのかが、正直分からない。
だから今回も現地調達作戦はおあずけになったけど、確実性重視だから、まぁ、いいかな。


Tシャツ売り場を眺める。



おっ、これは全参加選手の名前がプリントされた記念Tシャツじゃないか。
アイアンマン北海道のときは制作が間に合わなかったと、店員が言ってたな。
今回はキチンと売られている。




でも、参加賞TシャツやフィニッシャーTシャツはモーレツに持っている。
むしろ、うちのタンスには普通のTシャツが少ないくらいだw
だから今回はべつに、いいかなぁ。

と思いつつデザインを眺めていると、、、
おぉっ、これはIRONMAN 40周年記念のロゴじゃないか。




さすがにこれは、、、買うしかないw

念のため、自分の名前がプリントされているかを一生懸命探して、、、
何順で並んでるんだコレ?
アルファベット順に探しても、それが何度もループしている。
あぁ、きっと年代別カテゴリのABCソートなんかな。

ということはたぶんこのへんに、、、
あったあった。

 

つーか、全参加選手ボードは「名」ソートだったけど、こっちは「姓」ソートという。。。
よーわからんw

試着をさせてもらう。

肩まわりがちと動かしづらいけど、サイズアップはダボダボ過ぎる。
店員によると表記はアジアンサイズとの事なので、いつものようにLサイズを購入。
お値段30,000ウォン。だいたい3,000円か。
ちと高いけど、せっかく空港でウォンに両替したから、ここらで使っておこう。(何

あァ、、、レース関連Tシャツがまた1枚、増えてしまったw



ひと通りの物色、そして記念撮影も済んだ。
けど日本語版ブリーフィングまで、まだ3時間近くあるな。
受け取った荷物も多いことだし、いったんホテルに戻ることにしよう。

あ、そうだその前に、肝心のレースブリーフィング会場がどこなのかをインフォメーションで聞いてみよう。

事前公開されたスケジュールには、その場所として「Jirisan Dulle-gil Center 2F」という記載しかなかった。
それって、どこ?

世話好きそうなインフォメーションのオッチャン。
流暢な英語とジェスチャーでその場所を教えてくれた。
あそこに見える建物だ。
あそこの、大きい建物の左だ。
あれだよ、あれ。

2人で指差しながら、ズレた認識を正してゆく。
まぁ最後は結局、少し近付いて「あの緑の屋根の建物だ」と教わる始末w

とりあえず、目と鼻の先にある建物だったので、迷うことはなさそうだ。


BIKEにまたがり、往路とは違うルートで帰ってみる。

オフライン地図アプリとGPSの組み合わせ、かつ海外で、果たしてどの程度正確に動けるか。
ま、もしうまく行かなかったら引き返せばいい。

最短ルートの示すとおり、まずはメインスタジアム裏の橋を渡る。




おや?
あのテントは、、、RUNエイドステーションのようだ。
するとレースではこの辺りを走ることになるんだろうか。




川沿いにはサイクリングロードもある。
そしてルートはこれに沿ってしばらく走るよう示している。





ルートはサイクリングロードを離れ、田舎道へと突き進む。



人の姿が全く無い、緑だけの光景。
ときおりの田園風景、そして牛舎などなど。

不思議と違和感が無い。
あァ、これってアイアンマン北海道のRUNコースにどことなく似てるな。
あの時は前半のコースがなかなかテクニカルで、大変だった。

夏の暑さが少しありつつも、その陽射しは柔らかい。
夏が終わり、秋の様相を少しずつ見せてゆく。

オフライン地図とGPSルートはこんな田舎道でもきっちりと導いてくれる。
そしてしばらく走ったのち、今朝がた通った道に戻ってきた。

よかった。


ホテルに戻り、部屋に入る。
お。掃除をしてくれたようだ。

普段着に着替えて、受け取った荷物を整理。

天候も回復し、窓からの景色もすっかり良くなった。




少しまったりした後、今度は歩いてシャトルバス乗車場所:Jirisan Information Centerへ向かう。
レース当日の朝、同じ道を歩くのでその予習(?)も兼ねてw


一度歩いた光景、かつその距離も分かってあるから、そこそこの登り坂とはいえ、すんなりと行ける。
朝、BIKEで通過した景色やホテルや店を眺めつつ、歩を進める。


しばし歩き、Jirisan Information Center到着。
やはり、めぼしい店は道中には無かった。

そう言えばまだ、コンビニらしき店には行けていない。
今日の昼食はこのへんで探すとして、夕飯はウェルカムパーティで充分。
そして、明日の朝はどうしようか。
まだ初日に買った菓子パンと、非常食のアルファ米があるから、何とかなるかな。

Jirisan Information Centerはバスターミナルも兼ねているようだ。
その客が目当てなのか、こぢんまりとした店が何軒か連なっている。
上空からの地図だと、なんとなく賑わっているように見えたけど、実際は随分とシーンとしてるな。
時期にもよるのかな?カラオケなんかもあるし。




さて、ランチはどれにしよう。

数軒まわって、テキトーに入ってみる。
アニョハセヨ〜。

店員と客が1人ずつ。
何か言ってるけど、ハングル語だからやっぱり分からない(汗

ランチの時間は過ぎ気味だったので、「昼ごはん、食べれる?」って言いたかったけど、まぁ当然ながらそんなフレーズは口から出てこないわな。


なんかお互い、よくワカラン状態だったので諦めて出る。
んで次の店へ。

ランチタイムを過ぎていたためか、もともと客があまりいないのか、どこもガランとしていて、地元客か店員仲間かが仲間内でダベっているような感じの店ばかり。

まぁでも、この界隈でランチをすると決めたので、意を決してお店に突撃w

今回も入り口付近であたふたして突っ立っている状態になってしまったけど(小心者)、幸い店員さんが案内してくれた。
店内は座敷メイン。

さて、何を食べようか。
いや、何が食べれるのか。
メニューは、、、

と、店員が巨大なボードを持ってきた。
どうやらランチメニューのようだ。
写真と金額がハッキリしているのでありがたい。

そしてビビンバらしきメニューに決め。

いやはや、よかった。
いやはや、韓国は3回目なのに、やはりカタコトすら話せない言語だと、どうにももどかしくてタマラナイな。。。


店内の様子を眺めたり、これまで撮った写真を見返したりすること数分。
お馴染みの、大量の小皿にメインディッシュ、そして熱々のスープが運ばれてきた。




それではさっそく。

出されたままに食べていると、
「違う違う、そうじゃない」
とばかりにご飯をメインディシュに入れて食べるんだ、とジェスチャーを加えて説明してくれた。

それでは改めて、、、

と、またもや割り込んできて、スプーンでかき混ぜてくれた。
あぁそうか、そいやそんな感じの食べ物だったな。
金属の丸いボウルの入れ物といいその見た目といい、まるで犬のエサのようだ(失礼)
まぁ、そのへんはわりと慣れっこだけど。


正座して様々な皿をつついていると、、、またもや店員が「イスに座るか?」とばかりに、小さいプラスチックのイスを持ってきてくれた。
いやいや、それ幼児用だからw

さすがにこれは断って、あぐらをかく姿勢になる。
そうそう、これくらい、リラックスしていこうぜホント。


テーブルマナーがどうだったかは忘れたけど、たしか小皿はいくらでもおかわりが出来たような。
と言ってもそもそも量が多いので、そこまで入らないかな。


おっと、、、急に雨が降ってきたな。。。
通り雨だといいんだけど。
まぁ、今は食べることを堪能しよう。

ヨメさんが韓国料理好きで、それに鍛えられたこともあり、キムチをはじめ、今は比較的どれも違和感なく食べられる。
そして、こんな田舎の店にも関わらずWi-Fiはしっかり入るので、撮ったランチの写真をヨメさんに送ったら、「いいなぁ本場の昼ごはん!」と、羨ましそうな返信が来た。




ひと通り全ての皿を食べてまったりしているうちに、雨は止んだようだ。

旅のハングル語会話アプリの言葉を組み合わせて
「お会計お願いします。」

これが伝わり、代金9,000ウォンを支払う。
言葉を読みながら、観光客オーラ全開でこれを伝えると、「よく言えました〜」とばかりに場が和むのは、メキシコ旅行以来の、自分なりのひとつのテクニック。(?)

そして会計が終わり、「コーヒー?」と、一杯ご馳走してくれた。
カムサハムニダ。

うっわ甘いなコレ。



外に出る。

メインスタジアム行きのバスまで、まだ少し時間がある。




インフォメーションセンターの中に入ってみると、、、自然公園だからか、この近辺の自然や山に関する情報や展示物がちらほらとある程度だった。

少しして外へ。
そうだ、トイレに行こう。

トイレは、、、
お、何か書いてあるな。


時代は進化している。
いまや、ハングル語を撮影して翻訳アプリで読み込むと、それが翻訳されるという優れモノがある。
しかも英語なら撮影せずとも、カメラを向けるだけでリアルタイムで翻訳されるのだ。


そして肝心のトイレの場所はというと、、、



あァ、後ろにいるのねw


大きい方のトイレに入る。

ん?入り口にトイレットペーパー?
まぁいいか。

しばらくして、用を足して紙を、、、
・・・?!

無い!?

まさか入り口のアレを必要なだけ取ってから中に入れ、ということか?
空港をはじめ、そんな仕組みはどこにも無かったからちょっとびっくり。

幸い外には誰もいなかったので、そそくさと出て紙をぐるぐる巻いて、また戻って無事ミッション完了。
ちと焦ったw



バスの待ち時間、他にも選手らしき人物がハードケースを引いて、バスの時刻表を見ている。
それを見たタクシーの運ちゃんが何やら話し掛けている。
ホテルまで乗っていかないか?
といった類の交渉でもしてるんだろう。


そんなやりとりを見つつ、しばし待つ。

そしてバス到着。
日本でもお馴染みの、大型の観光バスだ。




中に乗り込む。
バスは3列席で、フットレストがあったり巨大モニターがあったり、なんかすげー豪華。
まぁ10分くらいで降りるんだけど。




数人の乗客が乗り込み、定刻通りに出発。

そいや、特に乗車確認をするような素振りを見なかったな。
誰でも乗れちゃうけど、ま、そのへんはおおらかで良いかと。


1kmの坂道を登ってきたその道を、あっという間に下ってゆく。
そして今朝、BIKE試走したのと同じルートを走り、ものの10分弱でメインスタジアム到着。

「カムサハムニダ〜」
と運ちゃんに伝え、バスを降りる。

戻ってきた。


おっ、午前に来たときよりも賑やかだな。
選手受付時間が長いからか、みんな午後になって集まって来たようで、巨大なエムドットや全選手ボードをバックに記念撮影を撮りまくっている。

 

そんな賑やかな光景を眺めつつ、しばしのんびり過ごす。



15時20分。
そろそろレースブリーフィングの時間か。

インフォメーションのオッチャンに教わった場所に向かおう。






日本語版レースブリーフィング



道中、ブリーフィング会場を案内するボランティアの姿を目にする、、、が、その指し示す方角は少し違うようだ。
どうやら、英語版のブリーフィング会場を案内しているらしい。

その会場は体育館のようだ。
やはり、英語版は規模がデカい。
それに比べて日本語版の会場は、小さな建物の2階。
でも、母国語でしっかり聞けるのはありがたい。

そういえばインフォメーションに「中国語版ブリーフィングは中止」らしき貼り紙がしてあった。
日本語版が中止になっていたら、、、まぁ、事前に公式サイトで公開されたガイドブックは英語版だったし、翻訳ツールを駆使しておおよそは把握済みだから、まぁ、たぶん大丈夫かな。
いや、どうだろう。(汗

会場に入る。
「ブリーフィング会場は2階」という貼り紙を見て階段を登る。




会場は、30人ぶん位のパイプイスが並んだ、こぢんまりとした様相。
まだ開始前とあって、雑談する会話の言語は日本語。
なんか、、、ホッとする。





って、あれ?
隣に座るのは明らかに欧米人夫婦らしき人物。

英語版ブリーフィング会場と間違えたのかな?
そういえばどこにもここが「日本語版」という表示は無かったな。不親切と思うのか、よくスケジュールと場所を見なかったほうが悪いのか。


というわけで、
「Hello〜」
と声をかけ、スケジュール表を見せて「こっちは日本語版で、あっちが英語版だよ」って教えてあげることに。

Oh! Thank you!
と、急いで立ち去る夫婦。

一日一善。(何
ていうか、中学生英語ながら無事伝わってよかった。



ブリーフィング開始までの雑談。
隣から、往路のバスの酷さの会話が聞こえてきたので、激しく同意!とばかりに、これに参加w

どうやら自分の他にも何人かが同じように、あのホテルで放置された目にあった人がいたらしい。
そして、自分と同じようにそのホテルのスタッフ仲間が送迎をした、とか。

人によっては90分くらい待たされたらしく、自分はまだマシだったのかな。


バスの運ちゃんと闘ってくれた人もいたようだったけど、断固として「俺の仕事はここまでだ。それ以外はやらない!」と突っぱねられたらしい。

日本がキッチリしすぎなのか、どうなのか。。。
まぁ、そのへんの苦労も含めて、今回は今後あるであろう海外レースに向けた苦労の免疫をつける目的もあるけど、まぁ、やっぱその場その場ではいちいち絶望しちゃうよね。。。


釜山からレンタカーで来た人もいて、カーナビがネズミ取りの位置を教えてくれるとか、それがたくさんあるとか。


その他、去年のレースを含めたいろいろな苦労話を聞けたものの、肝心の、帰りのバスの乗り場に関する情報は聞けず。

やはり仁川空港のツアーのにーちゃんに教わった電話番号に当日の朝、電話するか、それとも初日に降ろされたであろう「あの場所」までなんとか移動するべきか。
そのためには、タイヤの壊れたハードケースを果たしてそこまで運べるか。。。

不安は尽きない。

まぁ、、、最悪は空港まで辿り着ければ、飛行機は時刻変更が可能なので(追加チャージはかかるかもだけど)、せめてGuryeを脱出するための手段は確保したいことろだ。



そんな雑談の輪に加わるうちの一人、やや小太りの(失礼)貫禄のあるオッチャン。

他の雑談メンバーが「ブリーフィングは早々に切り上げて、あとはシーポの宣伝でもしてもらいましょうかね。」
なんて茶化している。

ん?
どんな関係なんだ?

その貫禄オッチャン、「レースは走らない」と言う始末。
韓国まで来て、レースに出ない?とは???

まぁ、いいか。



そうこうしているうちに時間がきて、いよいよブリーフィング開始。

って、あァ、あの茶化した人が何のこたぁ無い、その説明スタッフ張本人だったのか。


さてその内容はというと、おおよその事は公式サイトのガイドに書いてあるので端折るとして、足切りの関門の事とか、RUN周回時に渡されるバンドの事とかの、ガイドに載っていない部分について細かく解説してくれた。




特に、
「ボランティアはルールの事なんかほとんど理解していない。だから無理な要求はせず、お互い気持ちよくいられるようにするといい」
「審判は、よほどの事がないとペナルティは取らないけど、明らかに悪質なのはやっぱり良くない」
「BIBナンバーベルトはRUNの時だけ付けていればいい。レースによってはBIKEから必須だけど、今のIRONMANレースのほとんどはRUNだけでいい」
「けど、必ずナンバーが前に来るように。走っているうちに横や後ろになっていると、前にして!ってしょっちゅう言われる」
という情報は、なかなか新鮮だった。

それと、BIKE時のスペシャルニーズバッグの説明。
「みんな、お弁当を広げるかのように休憩するんだよね」という表現に、アイアンマン北海道の自分の素行を思い出して苦笑いしたり。

で、「ここに来ている皆さんはハワイを目指しているだろうから、そんな人はいないだろうけど。」って、、、なんかすみませんw

加えて、「スペシャルニーズバッグは周回中に何度も受け取れる」という解説もあり、あれっ?そうだっけ?と思ったり思わなかったり。
まぁ、受け取れるならそれに越したことは無いか。


そして気になる、当日の天気は曇り予報。
朝晩は若干寒いが、雨は降らないだろう、とのこと。
やや蒸し暑くなるから、暑さ対策も必要とのことだ。




ていうか、SWIMウェットスーツ着用許可は通常、当日の朝に決まるんだけど、レース2日前の時点で「なんでもうOK出すかな〜」と、そのテキトーっぷりに解説のニーチャンも苦笑していたのが面白かった。


やや駆け足だったけど、無事ブリーフィング終了。
フリーの質問タイムの内容を耳にしつつ、どうも、ブリーフィング担当の「レース関係者」であっても正確な情報があまり降りてきていないらしい。

特に、「スペシャルニーズバッグは周回中に何度も受け取れる」という解説については、ガイドには1度だけという記述があったので疑問に思ったけど、やはり他の選手も同じような疑問を抱いたようで、質問の声が挙がっていた。
これについてもやはり、「ボランティアはルールの事なんかほとんど理解していない」という点に繋がっていて、いちいちチェックもしていないし、少なくとも昨年度はそれは問題なかったとのこと。
「個人的な見解としては、おそらくガイドにそういう書き方をしているのは、みんなが何度も受け取ると収集がつかなくなるからその回避策ではないか?」とのことだった。

そして自分の場合。
今回のBIKEコースは比較的フラットなので、そう何度も立ち寄ることは無いと思うけど、いざとなったらその制度を活用しようかな。

まぁ、そのへんのおおらかさも海外レースならでは、かもしれないな。
上位を、ハワイを目指す選手にとっては重要かもしれないけれど、自分のような挑戦者にとっては、レースそのものの不手際やトラブルもまた、限度はあるにせよ、そのレースならではの特徴、貴重な経験そして、豊かな思い出のひとつになることだろう。



ブリーフィングが終わり、解散。

外に出て、さぁ、どうしようかなと少し佇んでいると、、、
「なんか、メモ用紙を忘れてるよ」
と、あのブリーフィングのスタッフが声を掛けてくれた。

せっかくいろいろメモったのにそれを紛失しては元も子もない。
つっても大したことはあまり書いてないけど。


教えてくれて助かった。

そして、日本語全開の世界から、再びのハングル語全開の世界に戻される。

なんか、若干の不安な気持ちに舞い戻る。
なんだこの感覚は。(苦笑)



ウェルカムパーティまでは、まだもう少し。

ちょうど体育館での英語版ブリーフィングも終わったようで、続々と選手が出てくる。
参加賞の緑のトランジッションリュックをしょっている選手、過去のIRONMANシリーズのフィニッシャーTシャツを着ている選手、思い思いのグッズを手にする選手。

どのレースでもそうだけど、あまり試用用途の無いフィニッシャーTシャツも、こういう時ばかりはその「お披露目の場」になる。
自分はそのへん、わりとズボラだけど、IRONMANシリーズのときは堂々と着ていってもいいかな。
次回への課題がまたひとつ。



少しして、ウェルカムパーティ会場に入ってゆく人たちの姿を目にする。
どうやら開いたようだ。




入り口でIDバンドをチェックするスタッフ。
でも、そのガードは甘く、ほかの場所からひょいと柵を越えていく人の姿もw

アイアンマン北海道のときはそれなりにきっちりチェックしていたんだけどな。
いや、日本だからか。
海外はテキトーだな。
けど、ほとんどマツリみたいなものだから、それくらいでちょうどいいよな。





メインステージでは楽器や歌のリハーサルをまだしている。
そしてオペラ歌手によるトゥーランドットの熱唱は、リハーサルなのにクライマックスを迎えたところで拍手喝采w




そして!

あの聞き慣れた声が聞こえてきた!
IRONMANといえばこの人!





声に誘われ、続々と選手が集まってくる。
ウェルカムパーティが始まった!





ウェルカムパーティ



世界中から集まった1,500人の鉄人たちが、ここに集う。
その姿は壮観だ。


メインMCが話すはもちろん英語と、そして少しのハングル語。
隣には現地アシスタント女性のハングル語通訳。

さすがメインMCを務める立場なだけに、アイアンマン北海道のときは日本語と英語を一人でこなしていたけど、ハングル語は本人も言うように、まだまだ勉強中・・とはいえ、きっと世界中のIRONMANシリーズでMCをするにあたり、「英語」と「現地語」を使って盛り上げているんだなぁと、勝手にしみじみする。

そしてハングル語に囲まれた時間を過ごしてきただけに、英語とはいえ、なぜかホッとする。
そんな個人的な感傷にひたっている自分をよそに、周囲は「待ってました」とばかりに食べ物にありつくための行列を作るw

その列に自分も遅ればせながら、並ぶ。





飛び交う韓国語、英語、そして様々な異国の言葉。日本語もちらほら。

韓国は3回目だけど、フラフラ〜っと観光目的で訪れたこれまでと違い、今回は明確な、確固たる、そして決して油断のできないこのレースを完走することが最大の目的だ。
これを果たすために10ヶ月間、鍛錬を重ねてきた。
そして、今後もきっとあるであろう海外レースに対するチャレンジ、その初年度だ。

毎回、日本国内のレースに少なからず海外選手がやってくる。
そして、様々な国のフィニッシャーTシャツを目にする。
だから、海外レースの難易度が高いと思い込んでいるのは、もしかしたら自分自身が勝手にそのハードルを上げているだけなのかもしれない。

うまくいくときはうまく行く。ダメなときはダメ。
そういう方向での覚悟というか、心の持ちようというか、もっとリラックスして、マツリを楽しもうぜ!

・・・そんなメッセージが今回のレースには込められているのかもしれない。

あ、でも英語はもう少し出来たほうがいいかな。
どこから勉強すればいいのか分からない?
だったら、今回の旅で英語ですらうまく話せなくてもどかしい思いをした所を思い出して、そこから手を付ければいいんじゃね?

帰国後の課題がまたひとつ。






メインMCの流暢なトークは続く。
今回の海外勢、その人数が最も多いのは、なんと日本。その数にして、139人。
なんか嬉しい。
隣の国とは言え、そんなに来ていたのね。

それぞれの国の言葉で、司会者が盛り立てる。
それにつられて、その国の参加者が盛り上がる。




外国勢、日本に次いで多いのは中国、そしてタイ。
もちろん、今回の参加人数:1,500人のうち、1,000を超える選手はやはり韓国。
欧米人も多い。

なんか・・・イイね、海外レース。



パーティは盛り上がる。

抽選会が始まる。
その景品はヘルメットやシューズといったレース関連グッズが多い。


豪華ながらも、さすがに対象人数が少ないので、当然ながらぜんぜん当たらない。


と、いきなり、聞き覚えのある日本語なまりの声が発せられた。
「シーポの関係者のカタ、イマスカー。」
だって。


※再生ボタンをクリックすると動画を再生できます。右クリックでダウンロードも可能です。(27.2MB)



CEEPOは、Cerveroと並ぶ、トライアスロンTTバイクのフレームメーカーだ。
今回の抽選会の目玉、それがこのCEEPOのバイクフレーム。お値段なんと4,000ドル。

しばらくして見覚えのある人物が壇上に立つ。

あっ。。。

日本語ブリーフィングで、隣で談笑していたあのオジサンじゃないか。
なるほど、EXPO会場にも出展していたうえ、多くのCEEPOフラッグが立っていた。
そういえばスポンサー欄にロゴもあったな。
「レースには出ない」けど韓国には来た。とは、こういうことだったのか。


ドキドキの抽選は、まぁ、当らんわな。

当ったら当ったで、20年以上の付き合いになる今のロードバイクからついにステップアップすることになるのか・・・?と、ちょっぴりドキドキしたけど、まぁ、もうしばらくはこのまま付き合いが続きそうだ。


そして「パーティを楽しんでください」「明後日のレースを楽しんでください」というようなセリフを最後に、MCが終わる。



メインステージが解放され、選手とその仲間たちが和気藹々とはしゃいだり、写真を撮ったりしている。

 


それもしばらくして、選手たちが少しずつ去ってゆく。
料理もだいぶ、少なくなったようだ。




パーティは基本、終わりかな?
でも予定では20時までだったよな。まだ19時少し前だ。

ホテルに戻るためのバスは・・・20時発だから、1時間ほどの放置プレーか?これは。


ふと、明日の朝食を確保することを思い出す。
アイアンマン北海道のときはタッパを持ち込んだけど、今回は手ぶらだ。
けど、、、ちょうど紙のお皿が余っている。
これにパンやらカップケーキやらを詰めて、上から皿で挟んで、ビニールでしっかり包んで。



はい、確保w



 



はてさて。バスの出発までどうしたものか。
少し散歩してみるか。

人の流れに沿って、バス乗り場近くにある時刻表を何となく眺めてみる。


あれ?19:30の便があるじゃん。
現地に来て、増えたのか?
テキトーだな。

まぁ他にすることも無いし。
ということで、30分ほど乗ったまま待ってようかと思ったら、満員になったらしくいきなり出発。
まだ19:08なんだけど。テキトーだなw

バスが豪華なのはいいとして、補助席が無いねーなんて話し声が聞こえて、まだ座っていない人がいるのに出発して。
ほんと、テキトーだなwww





真っ暗になった車窓から景色を眺めつつ、Jirisan Infomation Centerに向かう。


そして10分ほど経ち、到着。
バスを降りる際、隣から「コンビニとか、このへん有るんですかねぇ?」「つまみと酒が売ってる店くらいかな」というような日本語が聞こえた。
なんか、のんきだな。
いや、それくらい余裕ある気持ち加減のほうが、きっといいんだろうなぁ。




自分の場合、過去の経験から怖さを克服するために情報をありったけ仕入れたり、荷物がどんどん増えていく傾向にあるけど、そんな自分も宮古島や長崎の頃のように、最初のうちは分からないなりに、なんかうまいこといってた気がする。
もちろん、スムーズにいくに越した事はないけど、それがむしろ窮屈にしてやいないかと。
例えばそれを回避するために、レース参加ツアーに参加したり、少し高いけど確実なホテルにするとか、そんな手段をとったほうがいいのかもしれない。

今回のような冒険も貴重な経験だけど、それはトラブルが起きても自分で対処できる器の大きさあってのこと。
・・・いや、、、その器を大きくすべく、今回は冒険をしているのかも、しれない。



だからその正解はきっと、、、

自分が信じて準備、選択そして行動したことを、自分自身が信用すること、だろうか。






ホテルに戻って来た。


フロントのおっちゃんに会話をしに行く。
といってもGoogle翻訳であらかじめ伝えたいことをメモって、それを見せて伝えるだけだけど。

内容は、最終日にタクシーを呼んでもらうことだ。

初日、意味不明なホテルで降ろされてフリーズしたけれど、きっと帰りは少なくともSandong Marketの、「あの場所」に行けば、帰りの空港行きのバスに乗れるはず。
ハードケースの入る大きいタクシーで、その場所まで、10時のバスに間に合うよう、1時間ほど前にそこに着くよう手配してほしい。
航空写真から推察するに、それはきっとこの場所だ。

 

ハングル語の文字と写真を見せ、ジェスチャーで意思疎通を図る。

そして、どうやらそれが無事伝わったようだ。
最終日の朝8時25分、ロビーで待つことになった。


ふと、「行きはソウル仁川空港からだった。帰りは釜山だから、果たしてその場所から本当に釜山に行けるのだろうか・・・」と、心配になる。
でも、きっとメインの地区は今の自分の泊まるMasan地区ではなく、きっとSandong Market側のはず。
だから、、、そこに辿り着けさえすればきっと、大丈夫。


部屋に戻る。

ヨメと娘にFaceTimeでテレビ電話。
昨日よりも良い顔になったね、だって。
まぁ、昨日はサイアクだったからね。。。

他愛も無いことを交えて、ひとときの団欒(だんらん)の時間を過ごす。
家族は、いいものだ。

また明日も電話すると伝えて、FaceTime終了。



選手受付で受け取った荷物を広げ、ゼッケンシールを貼り、荷物をそれぞれのパート別に入れる。

ヘルメットとBIKEにも同様にシールを貼る。

 





準備完了。
あとは明日、これを14時に預託しに行くだけだ。

その際、少し足を伸ばして、最終日の空港行きバス集合場所も探してみよう。
たぶん、シャトルバス「Aルート」の終点:Sandong Marketの停留所付近がその場所のはず。

初日、あのとき撮った入り口の写真と、目に焼き付けたあの風景が、シャトルバスの案内地図にあった航空写真と似ているように思える。
それを探して、タクシーの運転手にうまく伝えられればほぼ、Gurye脱出は成功だ。

あァ、それから仁川空港のブースのにーちゃんにその旨を連絡しておこうかな。
とりあえずはメールを入れておくか。



大丈夫。きっとすべてうまくいくから、今はレースに集中しよう。


大丈夫。すべてはきっと、うまくいく。






BIKEチェックイン、レース準備



9月8日 土曜日。
8時半、起床。

今日はゆっくり10時頃に起きようかと思ったけど、やっぱりそわそわして目が覚めてしまった。
昨晩、なんだかんだの準備で深夜1時まで起きてしまったので、ホントはもう少し寝てたかったんだけど。


昨日のウェルカムパーティで確保した食料のうち、半分くらいをその夜食で食べてしまったので、持参したアルファ米を食べる。
仕事先のお客さんからもらった非常食で、お湯を入れて15分でお茶椀に山盛り分の雑炊が食べられるスグレモノ。
お湯はホテルのミネラルウォーターを使い、ポットで沸かせばOK。

今日のタスクは、SWIMスタート地点:Jirisan Lakeまで自走して、14時からのBIKEチェックイン、そしてトランジッションバッグを預託するだけだ。
その受付時間もほぼ終日あるので、急ぐ必要もない。
けど、出来るだけ早く済ませて、出来るだけ早く就寝したい。
それにチェックインの行列も長くなりがちだ。
だから、14時の開始に合わせて行くつもりだ。


そして何よりも、初日にバスから降ろされた場所を探すことも重要なタスクだ。
とりあえずそのSandong Market地区まで自走して、場所を確認して、そのまま戻りがてら、チェックインをすればいいだろう。





けど、、、
Sandong Market地区まで20kmくらいあるな。
べつに大した距離では無いけれど、初日からの一連の騒動の影響か、身体がどんより疲れている。
それに腕の筋肉痛まで残っている。
持参した湿布を貼ってはいるものの、レース前に出来るだけ疲れは取り除いておきたい。

そこで急遽スケジュールを改め、
・メインスタジアムに寄って、
・そこにBIKEを置いて、
・シャトルバスでSandong Marketまで行く。
・場所を確認して、次の便でメインスタジアムに戻り、
・BIKEチェックイン会場のJirisan Lakeまで自走。
というプランにすることに。

メインスタジアムにBIKEを置いたままにする事は少し心配だけど、昨日のEXPO会場を見ている限り、たぶん大丈夫だろう。
もちろん、簡易カギくらいは掛けるけどね。



準備を済ませ、まずはメインスタジアムまで自走。
今日もちょっぴり肌寒い。
けど、陽が出てくればまた暖かくなるだろう。

昨日と同じルートを辿り、メインスタジアムに到着。

会場は今日も盛り上がっている。
いや、昨日以上に盛り上がってるな。

あァ、IRONMAN KIDSとIron Girlレースをやっているのか。
いいなぁ。
自分の娘も将来、もし本人がやりたいって言ってくれたら、こうしたレースに一緒に出られるといいな。


シャトルバス乗り場に向かう。
Sandong Market地区方面の「Aルート」バスは、出発の時刻まで待機中だ。

その車内は、まぁ、普通の大型観光バスと同じようだ。
Bルートが異常に豪華なだけっぽいな。

定刻になり、出発。
比較的乗客は多い。やはりホテルのメインはSandong Market地区のようだ。

しばらく走るうち、ちょうど通路を挟んだ反対側に座る数人が日本人であることに気付く。
って、日本語で雑談してたから、分かって当たり前だけどw

会話のタイミングを見計らって、話し掛けてみる。
もちろんその目的は、Gurye脱出手段を少しでも情報収集するためだ。


話によると、往路は釜山からとのこと。そして自分と同じくツアーバスを利用したが、やはり結構テキトーだったらしい。
自分の泊まるMasan地区行きについては、初日の自分が受けた仕打ちを反省?してか、翌日便はツアー会社と運ちゃんが喧嘩しながらも、道に迷いながらも、ちゃんとJirisan Information Centerまで行ったらしい。いいなぁ。

でも、ということは、最終日はなにもSandong Market地区まで行かなくてもいいのかも?
もしJirisan Information Centerから乗れるのであれば、あとはそこまでの登り道をタクシーで連れて行ってもらえれば、だいぶラクになりそうだ。
それに、どうやらメインスタジアムにこのツアーバスの運行状況がわかるスタッフがいるらしい。
あとでメインスタジアムに戻ったら、スタッフに確認してみよう。


Sandong Market地区に到着。

 

おっ、やはりこちらは栄えているな。目の前のセブンイレブンやミニストップのほか、ホテルが立ち並んでいる。カラオケやら焼肉屋やら、観光客向けの施設が整っている。羨ましいw

とりあえず、せっかく着いたので予定通り、初日に降ろされたホテルを探してみることに。




天気が良い。気温も半袖シャツでちょうどいい。暑すぎることもない。
こんな感じで明日のレースは走れるといいなぁ。

上空写真を頼りに、たぶんココだろう、という場所に向かってみる。。。が、うーん、どうやら違ったらしい。
それでは、、、あのとき車窓から見えた「K Family Hotel」はどうだろう。すぐ近くにあり、そこから見える光景に、ヒントがあるかもしれない。




と、歩くこと数分。
まぁ、なんとも立派な建物だこと。



けど、残念ながらどうやらこれも違うようだ。
あわよくば、もしあのホテルの、あのニーチャンに出会えたら最上級の感謝の言葉を伝えようと思っていたものの、どうやらそれは叶いそうもない。

これ以上のアテが無かったので引き返す。


コンビニに入って、軽食やら明日の朝の食料を調達。
が、セブンイレブンはほとんど売り切れ。
隣のミニストップも同じような感じだったけど、いくつか残っていた中から巨大なハンバーガーとお菓子を何個か購入。

そしてお菓子をつっつきながらメインスタジアム行きのバスを待つ。

行き交う選手とその仲間たち。それが絶えることはないが、数はまばらだ。
のんびりしていて、いい。


バスが来た。
降りる客も乗る客もまばら。



30分に1本の定時運行というその数の多さもあるけれど、やはり多くはきっとレンタカーないし、自分の地元から車で直接来る韓国人選手も多いことだろう。
だからバスが満員で乗れない、なんてことは心配不要だし、そのルートもはっきりしているので、現地での移動は比較的、ラクだ。
一応、国際免許証を持ってきてはいるけれど、どうやらこれは不要になりそうだ。
運転する必要が無いのであれば、それはそれでラクでいい。


20数分の乗車ののち、メインスタジアム到着。
そして、たむろって雑談している集団、おそらくスタッフと思われる人物たちに最終日のバスのことを聞いてみる。

が、うーん、、、ヘタクソ英語だとなかなか通じないな。。。
と、そこへ赤ちゃんを抱っこひもで担いだ女性スタッフがやってきた。

ニホンゴ、スコシワカリマス。

わーい。超絶頼りになります♪


Jirisan Information Centerのことと、現在自分が泊まっているホテルの位置と、初日のゴタゴタを諸々伝えたところ、最終日はやはり、Jirisan Information Centerから出発するとのこと。
加えて、自分の泊まっているホテル「Charlotte Motel」には3人しかツアー利用客がいないから、ホテルを回ってピックアップをしてくれない、ということも、向こうの口から出てきた情報だったので、その信憑性も高そうだ。

カムサハムニダ!
これでGurye脱出手段は決まった。
今日、ホテルに帰ったらフロントのおっちゃんにタクシーの行き先変更を伝えれば完了だ。


メインスタジアムに入る。
我らがBIKEは、何事もなくそこに待っていた。
よかった。

メインスタジアム会場は、相変わらず賑やかだ。どうやらちょうど、IRONMAN KIDS&Iron Girlレースのゴールラッシュタイムを迎えているらしい。
明日と同じフィニッシュゲートをくぐり、ガッツポーズをしたり、ハイタッチをしている。




IRONMAN KIDSおよびIron Girlの参加賞は、自分たちと色違いの、赤が映えるトランジッションリュックのようだ。
多くの選手がこれを背負って、会場を行き来している。

そしてその脇では、疲れ切った姿のマスコットキャラクターが休憩している。



見ちゃいけません!w


会場の雰囲気をしばし、のんびり眺めたり、物販を眺めたり。
そのラインナップは昨日と変わらない。




少したたずんだあと、いよいよ預託エリアのJirisan Lakeまで移動開始。
ここから約10km。
受付開始まではまだ1時間以上も前だけど、のんびり走っていけば、ちょうどいいだろう。


地図を見つつ、会場への道をまっすぐ走る。
その脇や交差点には、預託エリアを示す矢印表示が置いてある。




左右に木が立ち並ぶ、片側1車線のまっすぐな道。
ときどき車が走ってゆく。
天候に恵まれ、すがすがしい。




その道中、何やらテントを見かける。

おぉ、RUN AIDって書いてあるな。
ということは、ここはRUNコースというわけか。



果たしてここに辿り着いた頃は、どんなコンディションだろうか。
楽しみだ。


案内板に沿って進んでいると、何やら観光地ふうの牧場のような見た目の建物が立ち並ぶエリアに入ってきた。

あァ、これがNatural Dream Parkか。
去年のメイン会場そして、フィニッシュ会場。
今年は何かの団体の集会とやらで、急遽ここがIRONMANでは使えなくなり、メインスタジアムに変更になったわけだけど、それってここだったんだな。

ざっと見渡す限り、近くに街や一般的な店や宿泊施設は見当たらず、あまり充実してしているとは言えなそうだ。
だからもしここが今年もメイン会場だとしたら、果たしてどうなっていただろう。
・・・まぁ、実際に昨年は開催していたのだから、何とかなるんだろうけど。



矢印の案内板に従って、一帯を抜けて先に進む。

ハイウェイ沿いの道を進む。

おっ、あれはバスから見えた、工事中のガソリンスタンドだ。
ということは、あともう少しで着くはずだ。



多少のアップダウンを経て、ようやくJirisan Lakeに到着。





ゆっくり走ったけど、それでもまだ1時間ほど前。そのためか、人の姿もまだまだ、まばらだ。




SWIMスタートエリアで記念撮影をしている選手が数人。
それを真似して、自分もパシャリ。




湖の水質は、あまり良いものでは無さそうだ。
けどブイは多く設置されていて、よく見える。
レースブリーフィングでは、当日の朝は霧が出て視界が悪いと言ってたけど、基本、まっすぐだしブイも多いし、他の選手と同じように泳げば大丈夫だろう。


会場をぶらついてみる。
BIKEトランジッション、着替えのテントはもちろん、明日の朝の荷物預託、スペシャルニーズバッグ、給水といったテントがずらりと並んでいる。








※再生ボタンをクリックするとチェックイン会場の様子の動画を再生できます。右クリックでダウンロードも可能です。(16MB)




そしてその一角、スタッフテントではマーシャル(審判)たちが一堂に会し、なにやら説明をいろいろしていて、そして最後に「オォーッ!」という掛け声、そして拍手が沸き起こる。

マーシャルたちにとっても、この日は晴れの舞台。
そしてなんと言っても、楽しんでいるような姿が見られた。

自分も3級審判の資格は取った。
果たしてそれを活かす日が来るかどうかは分からないけど、マーシャル側の視点も持って競技に臨む事はきっと、お互い気持ちよく闘えることに繋がるはずだ。



受付開始時間まで、しばしまったり。

良い天気だ。滞在中、一番の快晴。




と、次第に選手が集まってきた。
ゴツいヘルメットに、ゴツいBIKE。様々な国籍。
その雰囲気はまだまだ和やかだけど、次第にレースに向けた緊張感が、いや、高揚感が湧き上がってくる。





BIKEチェックインが始まる。

選手たちが列になる。
自分は早く来ていたこともあり、先頭から5番目くらいだ。
まぁ、受付時間はもの凄く余裕があるけどね。
さっさと済ませて、明日の準備、そして早く寝るために早めに動くことは悪い事じゃない。

受付にあたり、マーシャルによるヘルメットとBIKEのチェックがある。
アイアンマン北海道や長崎バラモンキングでは結構キッチリとチェックがあったけど、果たして韓国ではどうだろう。

回転スピードを上げるため、それぞれに2名ずつのチェックが入っている。
お、そこそこしっかりチェックをしているな。



そして自分の番。
まずはヘルメットチェック。



実はその傷やヘコみが大丈夫だろうか?と微妙に不安があって、でも北海道も長崎も大丈夫だったからそのまま今日まで使い続けてきたんだけど、案の定、これらが気になったのか、やはり一瞬「おや?」というしぐさに。
けど、目立つ損傷は無かったので無事パス。
でもまぁ、かれこれ15年使ってるから、そろそろ限界だろうか。帰国したら買い換えよう。



次にBIKEチェック。



これについてはチェックが厳重なオジサンとユルいオジサンがいて、自分は後者のほうになった、、、と思ったのもつかの間、ほとんどノーチェックで完了シールが貼られる。
いいのかこれ?w



タイミングチップ受付テントに列は続く。



氏名を確認のうえ、これを受け取る。
すべての記録はこの小さな部品によって計測される。

って、本体とマジックテープを別々に手渡されるし。自分でやれ、とw




日本国内のレースでは、幅5cmくらいの比較的大きいアンクルバンドを、これまたしっかりとしたマジックテープで足首に取り付ける。
加えて、選手ひとりひとりのBIBナンバーと名前がしっかりと貼られている。それはリストバンドも同じだ。

けど、アイアンマン北海道もそうだったけと、タイミングチップもリストバンドもまぁ、何というか、その場で動作確認をしたり手書きだったりと、なんかイージーだよね。
でも、それでちゃんとレースをしっかり走れるならば、こちらとしては全然問題ないけれど。

落とさないよう、しっかりとしまっておく。


トランジッションエリアに入る。



BIBナンバー順に、ずらりと並んだその姿は壮観だ。
まだ受付が始まったばかりだからガランとしているけど、すべてのBIKEが揃ったときは圧巻だろうなぁ。

歩いてくる選手たちを、ボランティアがそのナンバーを確認し、場所を案内してくれる。おそらく、地元の高校生だろう。みんなお揃いのシャツに、黒いハットを被っている。
その表情はやや、緊張気味だ。
わずかの英語と、身振り手振りで案内をしてくれる。
カムサハムニダ。


自分の場所に辿り着き、BIKEをセット。
後輪をスッと入れるだけの簡単仕様。




サイクルコンピュータをリセットし、ボトルを取り外し、バースト防止で空気を少し抜いて、雨露防止にカバーをかける。

今が快晴でも、湖ゆえか、早朝は霧が出るらしい。
カバーは100円ショップの簡易的なものだけど、その効果はアイアンマン北海道で実証済みだ。



続いてトランジッションバッグ。

 

BIKEギア、RUNギアを指定の場所に引っ掛ける。
ここもボランティアがしっかり案内してくれる。
カムサハムニダ。

今回のレース、ヘルメットとシューズは、トランジッションバッグの中。これはブリーフィングで何度も言われたので、キッチリ守る。
ブリーフィングといえば、やはり少し不安なBIBナンバーベルトの扱い。本当にRUNだけでいいのか、という不安。
そこで他の選手のバッグを観察。透けた中の様子をいくつか見る限り、どうやら大丈夫そうだ。

加えて、ボランティアに混じってマーシャルもいたので、中学生英語で「日本語ブリーフィングではBIBナンバーベルトはRUNだけでいいと聞いた。それは間違いないか?」と確認し、ここでも問題ないことを確認。どんだけ不安なんだw


レースの流れをイメージしつつ、その場所を行ったり来たり。



SWIMアップし、、、



トランジッションバッグを持って、、、



着替えテントに入る。



そしてBIKEセット位置まで走ってゆく。



BIKEを終えたら、いよいよRUNへと向かってゆく。


・・・という流れを何度もシミュレーション。



こう、不安が尽きないその要因はきっとアレだ、手元から離れ、何か忘れ物に気付いてもリカバーできない事が、ロングレース6戦目とは言えど、何度やっても決して安心しきれない事の理由なのだろう。
まぁこればかりは、程よい緊張はあったほうが良いのかも。

いつまでいても仕方ない。
準備は出来ているはず。

自分を信じろ。





公式Flickrより拝借




と、その過程で、早くもタイミングチップの落し物を発見。マーシャルに届ける。
ブリーフィングでは、外れやすいことが織り込み済みだからか、「もしレース中、紛失に気付いたらその時点でどこかのマーシャルに申し出れば、レースを続行させてくれる。そのまま無視してゴールしてはダメだけど。」という説明があったので、きっと落とし主も何とかなるとは思うけど、たぶん、、、自分だったら軽くパニックになるかもな。。。
一日一善w

無事、落とし主の手元に戻りますよう。


そんなこんなをしていたら、だいぶ選手たちも集まってきたようだ。
みんな、思い思いの装備を手に、受付に並んで、アイテムの準備をして、記念撮影をして、談笑をしている。

気持ちが昂(たか)ぶる。


賑やかなJirisan Lakeを後に、メインスタジアム行きのバス停に立つ。




少し待って、定刻通りにバス到着。
BIKEで走ってきたのと逆ルートで、来た道を戻ってゆく。





メインスタジアム到着。
ホテルのあるBルートのバス出発までは少し時間がある。

そこでふと、インフォメーションセンターにアイスがあったことを思い出して立ち寄る。
さっきは食べなかったけど、今は少し暑いから、もしまだ残っていたら1本もらっておこう、とw

アイスは無事、まだ残っていたので1本いただく。
ついでにミネラルウォーターも(なかば強引にw)くれたので、いただいておく。




っと、その後ろからオバチャン、どうやらアイスをダンボールごと貰ったらしく、嬉しそうに周りのオバチャン軍団と分け合ってたw
欲望に忠実でよろしいw





インフォメーションセンターのすぐ隣に、各種目ごとのコースマップが大きく掲げられている。




こうしてレースコースの一部を走り、トランジッションエリアを見て、改めてコースマップを見返してみると、なるほど、少しずつイメージ出来てきた。

と、それを見ていたお人好しのインフォメーションセンターのおっちゃん、丁寧にコースを指差して教えてくれた。

あー、BIKEの復路、終盤はハイウェイを走るのか。
今回は全体的にフラットコースだし、制限時間も普通に走れば全然問題ないはずなので意外とちゃんとコースを見ていなかったので、何気におっちゃんの情報は役に立った。

RUNコースも、レースブリーフィングで教わった情報と合わせて、イメージを膨らませてゆく。
3つのリストバンドを受け取ったら、あとはゴール。
楽しみだ。


ついでに、気になっていたゼッケンタトゥの貼る位置を聞いてみた。
場所は左腕と、左足。

あと、ヘルメットシールは正面と左側に貼るんだだそうな。
なるほど、右側通行の国にあって、バイクマーシャルから見やすい方向に付けるのかな?でもRUNのときはタトゥが見えるのは歩道と反対側になるなぁ。
まぁ、いいか。


今回に限らず、アイアンマン北海道もそのへんは意外と選手によってバラバラ。明らかにそれ違うだろ、ってケースもまれに見るけど。でも、レースブリーフィングで言ってたけど、故意でなければそこまで厳しくジャッジしないし、ボランティアも何も分かっていないから、自分でしっかりルールを把握していて、正々堂々やっていればそれでいいみたい。それくらいが国際基準、なのかな。

国際ブランドのレースだけでなく、佐渡も皆生も長崎も宮古島も、思い返せばわりとバラバラだったな。
選手権レベルではペナルティとかがあるかもだけど、我々エイジグループはやはり、よほど逸脱してなければ大丈夫なのかも。



時間になり、Bルートのバス出発。




やることは全部、済ませたはず。
あとはホテルに戻るだけだ。


相変わらずガラガラのBルートバスに乗ること数分、Jirisan Information Centerに戻ってきた。

まだ16時前。
晩ご飯にはまだちと早いので、いったん1km歩いてホテルに戻ることにしよう。

帰りの道は下り坂だからラクだ。
晩ご飯は、登り坂をあまり歩きたくないので、近くの適当な店にしようw






部屋に戻り、残っている荷物を確認。
ここには、SWIMギアと、ボトル2本と、空気入れ以外、何も残っていてはいけない。
ただ万一違っていたとしても、19時までならトランジッションエリアが開いているので、大急ぎで動けば間に合うはず。
早め早めのプランにしておいたのは、そういった時にも対処できるための対策。

幸い、忘れ物は無さそうだ。
明日持って行く荷物は、遠泳大会に行くときと同じようなグッズがあればいい。そう考えれば、実体の無い不安なんか払拭できる。


晩ご飯探しに出る。まだ明るいけど、時間は17時過ぎ。どうも、東京より日の入りは遅めのようだ。

歩くこと数分、検討すること数軒。
どうしようかなぁなんて悩みつつ、店の前でモジモジw

一軒、意を決して入ろうとした店があったけど、その直後になんか、仲間内がぞろぞろ入ってきたので、なんとなくパス。

そしてその少し先の店に、今度こそチャレンジ。



入り口の店員らしきオバチャンに、ハングル語会話アプリに載っていた「晩ご飯、食べれる?」という言葉を話してみたところ、ハングル語でなんか答えてて、もちろんよく分からなかったけど、とりあえず大丈夫っぽかったので入ってみる。
というか肩に手を掛けられて、捕まえた客は逃がさへんで〜!みたいなw


店内に入り、これまたアプリの「写真付きのメニューはあるか?」って言葉を使って伝えてみたけど、「ここはなんとかかんとかの専門だ、メニューはこれだけだ」的なことを言ってたので、写真は出てこなかった。



けど、その言葉にビビンバとかユッケとかいう単語が聞こえたし、値段も常識的なものだったので、それでいってみることに。

ん?ユッケって、日本ではNGになったんだっけ?生肉なのかな?大丈夫だろうか?
まぁ、同じアジア人だし、大丈夫だろう。きっと。





しばらくして、相変わらずの小皿ドンドンドン、熱々のスープがど〜ん。
そしてメインのユッケジャンビビンバ。

 


写真を撮って、無料Wi-Fiが繋がるのでヨメさんに送ったら、「いいなー!」だって。


まだ明るい時間帯、まったり食べて、ここまでの道のりを、撮ってきた写真とともに思い返す。
あぁ、こんなこともあったよね。
けど今は、明日のことが楽しみでしょうがない。

肝心の明日の天気は・・・
どうやら晴れてくれるようだ。ありがたい。



気温もちょうど良い。
寒いよりかは、ちょっとくらい暑いほうが好きだ。






しばらくゆっくりした後、店員のオバチャンにハングル語で「お会計オネガイシマス」と伝えてみる。

オバチャンも気さくで、「そうじゃない。【お・会・計、お・願・い・し・ま・す。】」みたいに、臨時の発音講座が開催w
数人のオバチャンたちが集まってきて、あーだこーだやってるうち、「明日はIRONMANに出るんだ」と身振り手振りと、リストバンドのロゴを見せて伝える。

あらまぁ。というリアクション。
そして「ファイティン!」

たぶん、ファイト!のハングル語とかかな?
カムサハムニダ!と返し、店を出る。


帰り道、アフリカ系らしき人物が参加賞のトランジッションリュックを背負って歩いている姿を目にする。
晩ご飯探しか、それとも単にホテルに戻るのか。いずれにせよ、Masan地区ではあまり選手を見ないので、なんとなくホッとする。





ホテルに戻る。

ちょうどフロントのおっちゃんに会ったので、タクシー降車場所の変更依頼をする。
そして、明日は4時くらいに出て、23時くらいに戻ることを改めて伝える。

ファイティン!
激励の言葉をいただく。(^^)


部屋に戻り、しばらくするとノックがあり、ホテルのおっちゃんからタクシー代が15,000ウォンである旨を告げられる。もちろん、OK。



ヨメさんと娘と、FaceTimeで電話。



早めの時間だったけど、すぐに出た、というか、娘が出た。
そうか、今日は土曜日だった。仕事も保育園もお休みだったっけ。

5歳になって、すっかり話が出来るようになったものだ。
そしてテレビ電話ならではの表情、背景の家の様子。
何より、家族という存在。
ずっと一人で闘ってきたけれど、自分には家族がいる。
当たり前のことを幸せと感じられることに、感謝をしなければ。


支えてきてくれた月日の事を想い、明日の健闘を誓い、FaceTime終了。



明日の準備、そして風呂。

その最中、お腹がゴロゴロ言いだしてきたのでトイレ。
ありゃ、まさか下痢?
まさかユッケが当たったか?
そして正露丸はまさかのBIKE備え付け&預託済み。あちゃー。

幸い、数回のトイレでお腹は収まってくれたけど、時間を少し無駄にしてしまった。。。
やはり食べ物には気を付けないといけないようだ。


お腹が落ち着いたところで、お馴染みのファイテンシールとニューハレVテープによるテーピング。

そして今回初となるゼッケンタトゥ。
ただ、貼り方の説明も何もなかったので、YouTubeで手順を見て、やってみたけど、、、
まさかの大失敗。
手順を勘違いし、透明台紙を剥がさずにメイン台紙を濡らしてしまう。
しかも二度貼り不可。

慌ててもう一度YouTubeを見たら、台紙は最初に剥がしていた。
仕方なくマジックインキで代用。次回への持ち越し要素がレース前に早くも出来てしまったな。

 



もう21時になってしまった。
さすがに寝るぞ!


なんだかんだあったけど、ようやくここまで辿り着くことが出来た。

明日は4:30のバスに乗って、必ずスタートラインに立つ!



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