>> 2016佐渡国際トライアスロン A-TYPE参戦記 <<

〜 プロローグ - 国内5大大会の全制覇、その最後の闘いへ 〜


2010年 宮古島、
2012年 長崎、
2014年 皆生。


1年おきに挑んできたロングレース。

未知の世界に飛び込んだ当初、まさしく手探りだった闘いも、その参加を重ねるごとに経験値も増えてゆき、ひいては「どれくらいの練習量をクリアすればターゲットとなるレース完走を見込めるか」という感覚さえも、その過程で具体的に描けるようになっていった。

そして、長年の夢であった“アイアンマン”称号獲得への挑戦を皆生の翌年:2015年にその照準を定めた。

橋の崩落によりコースは大きく変更となり、圧倒的なヒルクライムとトレイルランに苦しめられたが、アイアンマンレースならではの17時間という制限時間にも助けられ、無事これを完走。念願の称号獲得を得るに至ったが、やはり橋の崩落の影響からか、翌年2016年以降のアイアンマン「ジャパン」の開催は無期限中止となってしまった。
もしセオリー通り1年おきに挑もうとしていたら、その挑戦権自体が消滅するところだったので、こればかりは幸運に恵まれたと言えよう。








5大大会中、ついに4レースを制覇し、いよいよ残すは佐渡A-TYPEただ1つとなった。


2009年、B-TYPE参戦時に目の前で繰り広げられた、ロングに挑む選手の勇姿。
それまでの自分にとって、いわば言ってるだけの「無いものねだり」に過ぎなかった“死ぬまでにロングレースを完走する”というフレーズ。
これをまさに体現し、こうして現実に、それも何百人もの選手が闘っている。

その姿に全身全霊が震えた。


強烈な出逢いに完全に感化され、「ただの夢物語」に過ぎなかった漠然とした目標をいよいよ実在のものにすべく始動したその後の練習は、明らかに質・量ともにそれまでの自分とは比べものにならないほどの、強い意思を携えていた。

幸い、その翌年となる2010年度、自身初となるロングレース:宮古島大会の挑戦権を獲得。
そして数々の試練を経ながらもなんとかこれを完走し、ついに長年の夢を叶えることができた。




ターニングポイント、はじまりの大地、佐渡。

ここに再び立つことを願い、2016年も続けざまにエントリー。

いつぞやのTVの影響で人気がさらに上がったため、やはり抽選にはなったが、その熱意が伝わったのか、幸いにもこれに当選することが出来た。
アイアンマン完走の勢いやコンディションを維持したままシーズンが迎えられるだけでなく、加齢による減衰への不安、そして何よりも、濃い密度を過ごしてきた30代最後の年という事もあってどうしても出たかっただけに、最初の関門クリアに安堵した。





足掛け7年。

長きに渡る闘いの最終章が今、幕を開けようとしている。




宿泊施設争奪戦



出場権は無事に獲得できたのもつかの間、次なる関門がその直後に控えている。
そう、宿泊施設の争奪戦だ。
もとより「島」なので、物理的に宿泊施設の上限が存在するが、なにぶん広い島なので、下手に会場から遠い宿泊地では滞在中のコンディションに少なからず影響を及ぼすことだろう。

だから、誰もが願うこととは言え、やはり会場にできるだけ近い施設を確保したかった。


幸い7年前とは異なり、今回はその斡旋を公式パートナーの旅行会社が手配くれるため個別に申し込む必要は無いが、その申込手段はなんとFAXオンリーという。。。
そこで実家のFAX番号を利用し、受付開始日・開始時刻を皮切りに、コンビニから送信をひたすらトライ。

回線が細いからか、数十回失敗したが、なんとか送信に成功することが出来た。



それから数週間後、結果が返送されてきた。
1人部屋はさすがに無理だったけど、スタート会場から2kmという好立地「旅館入海」に相部屋での確保に成功。

そういえばB-TYPE参戦時や宮古島の時も相部屋だったっけ。
1泊12,000円は相部屋にしては少々高い気もするが、B-TYPEの宿泊地がスタート会場からかなり離れていたのに比べ、わりと良い場所が確保できたから許容範囲と言えるだろう。



ちなみに宿泊施設の申し込みで、同時に船の手配も進めたが、こちらも無事確保。
それから島内移動のシャトルバスの手配も完了。
船とバスはだいぶ余裕がありそうだ。



新潟港までの移動手段は新幹線だ。

スノボでよく使うルートだったため勝手はよく分かっていたので当初、往復とも当日購入の自由席で行こうと思っていた。
が、考えを改め、事前に指定席を予約することにした。

予約を進めていたところ、たまたま「えきねっと」会員だったこともあり、早割購入に対する会員割引適用が効いて、往路9,500円&復路8,800円という、自由席:10,050円よりも安い値段で購入することができた。
早めに気付いてよかった。

 



宿、船、島内バス、新幹線、加えてウェルカムパーティ、その他必要書類の提出等、もろもろの手続きはあったが、過去の経験もあり、比較的スムーズに済ませることが出来た。

スムーズすぎて、見落としが無いか逆に不安になったりもしたけどw




補給食・テーピングの準備



事務作業が済んだところで、お次は補給食やテーピング等の準備。

内容は、北海道のそれをほぼ完全に踏襲することにした。



ということは、、、買う物がほぼ固まっているため、ネットで買えるものはそちらで入手することに。

結果、補給食については北海道のおよそ半値となる4,000円程度で済んでしまった。
テーピング系も、そのいくつかは使い残しがあったので、今回は全体的に安く抑えられたという印象があった。


ちなみに佐渡はスペシャルニーズバッグが無いため、必然的に補給食は若干少なめになる。

少し不安になったので、先人たちのBLOG等で情報収集をして、その調整の参考にしようと考えた。
すると、どうやら中間地点あたりのエイドでそこそこ充実した補給があるようなので、あまり神経質になり過ぎず、「多過ぎず少な過ぎず」で良さそう、という結論に至った。
それに北海道と違って平地メインなので、重量もそこまで神経質になる必要は無さそうだ。



かくして、なんだかんだで5戦目ともなればかなり具体的にレース運びをイメージできるので、こちらもスムーズに準備が進んでゆく。




タイムテーブル策定



今回のレースは平地メインとは言え、国内最長を誇るため、あまり油断はできない。
先人たちのBLOGも、人によってアップダウンが「可愛いもんだ」というものもあれば「かなりキツい」というものもあり、その感じ方に大きな差がある。

そこで、設定された制限時間を参考に、Excel関数をこの上なく細かく駆使して目標タイムテーブルを作り上げる。
…まぁ、ほとんどはその通りにはならないだろうけど。


試行錯誤を繰り返した結果、制限時間の約1時間前ゴールという、いつもの「安全圏ながら時間を目一杯使うプラン」が完成した。








練習実績



・ SWIM 5km ×3回 (2/21、6/19、8/13)
・ SWIM 2km ×5回 (4/03、5/23、6/09、7/02、8/15)
・ BIKE 190km ×5回 (5/08、5/29、6/26、7/10、8/06)
・ BIKE 140km スピード重視 ×3回 (4/16、4/30、7/24)
・ BIKE 100km&RUN 10km複合 ×7回 (4/09、4/16、4/23、5/15、6/11、7/10、7/24)
・ RUN 30km ×2回 (5/04、7/30)
・ RUN 40km ×1回 (6/04)
・ 通勤 or 帰宅後RUN 15km ×5回 (5/12、5/19、5/25、8/16、8/24)


SWIMは5km連続泳を3回クリアすることが出来た。
内訳は、100m×50本練習会が2回、自己練が1回。
特に2回目の練習会は、ウエットスーツながら2分10秒サークルを1本も落とさず、しかもローテーションを先頭で完泳できたのがかなり自信になった。
なので、練習頻度は少ないが良好な質の練習ができたという手応えを感じた。


BIKEは「190km」「スピード重視」を意識した練習をした。
月ごとに集計したところ、月間600kmを超えた事もあった。これは学生時代を除けば初めてかもしれない。
もちろん、質もそれなりに良好。


RUNは、シーズン中盤まではまぁまぁ良いほうで、仕事後の帰宅RUN数回に加え、週末の45km走も一度出来たものの、昨年の北海道直前に患ったカカトの痛みがレース2ヶ月前に再発してしまった。
仕方無く練習強度を抑えるも、結局完治せず。
仕事、保育園お迎え、梅雨といった要素でなかなか思うように練習できず、唯一の不安材料として本番を迎えることになった。




BIKE輸送手段



時期も差し迫ってきた頃合い、いよいよ自転車の発送手配をする。

今回は西濃運輸が公式サイトで販売しているダンボール箱を使用してみることにした。
箱自体はなかなか良さそうで北海道の時から気になってたけど、北海道はBIKEを文字通り“そのまま”運べる「Bipota」という手段を利用したため、ようやく今回試せることに。
ちなみにお値段:レンタル2,100円で購入は2,900円って、、、購入するに決まってるっしょw

軽くBIKEメンテナンスをして、掃除をして、オイルを注して。
まだULTEGRA10段フル換装から2年弱しか経過してないので、メンテナンスは軽めで大丈夫そうだ。


そしていよいよ梱包。
箱が予想以上にデカく、後輪やペダルやハンドルは付けたまま余裕で入る。
特に、後輪を付けたままという事は、ディレーラーを完全に外部から宙に浮いた状態で護れるので、これがかなりポイント高し。

サドルを一番低いところまで下げ、DHバーを外して、あと念のためサイクルコンピュータの受信機を外せば、あとはスッポリ。
加えて、引越しに使ったダンボールのいくつかを捨てずに残していたので、これを緩衝材にしてしっかり梱包。

それでも空きスペースはかなりのものだったので、ここに衣類等の手荷物も全て入れることが出来た。






ちなみに宮古島と長崎で使ったハードケースはどうやら飛行機の国際線に持ち込める仕様のサイズらしい。
サイズが小さめなぶん、分解・組立ともにかなり手間が掛かるので長崎以来ずっと敬遠がちだけど、発送が空輸でない限り、今後もしばらくは今回のようなダンボールを愛用することになりそうだ。


発送はヤマト便を手配。
って、西濃運輸で買って、ヤマトで送るというw

でも真面目な話、西濃の箱は使い勝手が良いものの片道6,400円は高すぎる。
対してヤマトは4,000円+保険400円で済ませることが出来た。




身体のケア



なんだか毎回、何かしらのトラブルを抱えてのレースとなっているけど、今回のトラブルはやはり、レース2ヶ月前に再発したカカトの痛みだろう。
その対策如何によっては最後の要であるRUNの結果を左右するだけに、万全を期しておきたい。

そこでいろいろ調べた先に見つけた、2つ隣の駅近くにある“マラソンに強い整骨院”にお世話になることに。
けど、どうもその内容は期待するほどの成果があがるほどのものでは無かった。


様子を見つつも、強度を下げてのRUN練をしたためか、カカトの症状は改善するどころかむしろ徐々に悪化していってしまった。
そこでレース1ヶ月前になって別途、近所の整形外科で受診することにした。
診断結果は、疲労骨折の疑いがゼロでは無いものの、今は痛み止めを2週間飲んで、あとは湿布と塗り薬を使っての様子見を、という事になった。

湿布については昨年モーラステープによる光線過敏症でやや痛い思いをしたのでその事を伝えたところ、多少ベトベトするが効果はそこそこあるタイプの湿布を処方してもらえた。

これらのおかげで、完治までは至らなかったものの、ピーク時よりはだいぶ和らいだ状態まで回復させることが出来た。



カカトのほか、身体全体のメンテナンスとして皆生の頃からハマり出した鍼治療。

引越ししてからなかなか良いところに巡り合えなかった(というか予約が取れなかった)が、近所のマイナーな整骨院にチャレンジしたところ、予約もほぼ即日で取れるうえ、値段もリーズナブルで、なかなか相性が良かったため、こちらに毎週お世話になることになった。

ほとんど個人経営に近かったため長時間は出来なかったけど、いろいろと良くしていただき、最後の週は置き鍼をしていただいて、出来得る限りの万全の体制で本番を迎えることが出来た。









全ての準備は整った。

BIKEも手荷物も送った。


練習量も、RUNに若干不安要素があるものの、SWIMやBIKEでタイムが稼げれば、きっといけるハズだ。



さぁ、夢を叶えに行こう。



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