>> 2012五島長崎国際トライアスロン大会 <<
〜 五島入り / レース準備 〜
レース2週間前。
自転車を分解し、ハードケースに詰める。
今回の開催地:長崎県の五島列島・福江島は一昨年参加した沖縄県の宮古島大会よりも多少近いが、オフィシャルツアー指定の移動手段では自転車を持参することが出来ないため、宮古島の際の手段と同様、今回もあらかじめ発送しておく必要がある。
梱包手順はさすが何度か実施済みなだけあって比較的スムーズにいった…が、ペダルを最後に外そうとして、これが硬くてなかなか外せず、その際にフレームに負荷を掛けてしまったのが少し心配。
バラす順番、次からはペダルを早い段階で外すようにしよう。(汗
必要なものをひと通り詰め込んで、それからホイールに負荷の掛からない程度に各種装備品を詰め込んで準備完了。
これで当日持って行く荷物がだいぶ少なく済んだ。
クロネコヤマトに取りに来てもらい、これで自転車とはしばしのお別れ。
毎度の事だけど、自転車の移動には手間が掛かる。やはりそれがトライアスロン参戦時の最大のネックか。(汗
無事に辿り着きますように。
6月15日、金曜日。
レース2日前。
かねてより宣言して取得した有給休暇のこの日は移動だけで一日を費やすことになる。
朝、普段とは少し遅い電車で出発し、羽田空港へ。
仕事で常駐しているお客さんに空港で会ったりしないだろうか、とカノジョさんと談笑しながらも荷物を預け、念のための正露丸を買い、また国内線ゆえ機内食は出ないからと、簡単な押し寿司を買ってフライト時間を待つ。
今回は、大会のオフィシャルスポンサーにANAが付いているだけに搭乗するのもANA。そいや宮古島大会のときはJALだったか。まぁ現地に着ければ何でもいいけど。(ぇ
機内に入る。
ところで、昨年機種変更したiPhone。
主に地下鉄通勤のときに、電波探しで余計な電池を消耗しないため&就寝時のみに使用していた機内モードをようやく本来の用途で設定する。
って、離着陸時は電源自体を切るんだけど。w
およそ2時間弱のフライトを経て、あっという間の長崎到着。
天候は残念ながら、予報通りの雨。
荷物待ちの際に見掛けた数人の「2011バラモンキングFINISHER」ポロシャツを着たアスリートたち。
その一人に声を掛けてみる。
そう、今回のレースにあたって最大のネックは雨と、それに伴う寒さ。
特に昨年のレースは大雨という情報を得ていただけに、実際の走りがどうだったかを知るにはその経験者に聞くのが一番確実だからだ。
得られた情報は案の定、結構寒かった、というものだった。雨ガッパまでは必要無いが、アーム&レッグウォーマーはあったほうがいいとのこと。
今回の装備品に、真冬のそれに近い防寒グッズを念のため持って来ていたが、どうやらそれが役に立ってしまいそうだ。寒さは筋肉を萎縮させるだけでなく、パフォーマンスも落とす事になる。
だからできれば、できれば晴れてほしい。。。
荷物を回収し、ツアーの集まりに加わる。
これからバスで港まで50分掛けて移動し、
そこから高速船で90分掛けて五島列島:福江島に移動する。
絶え間ない移動そしてもともと乗り物に弱いカノジョさんにとって、苦痛の時間が続く…。
しかも今回は妊娠によるつわりで、輪を掛けて酔いやすい状況に…。本当に申し訳ない。。。
そんなカノジョさんにとって唯一の楽しみだった「船からのカモメのエサやり」。ちゃんとカッパえびせんもスタンバっていたが、残念ながら雨で外に出れず、と言うよりそもそも高速船「ジェットフォイル」はその速さのためか、全席指定・シートベルト着用・甲板に出られず、という環境だったからそれすらも叶えることができなかった。
とは言え、そりゃ時速80km/hともなれば外に出るのは危険なんだろうけど。
少しは船酔いや長旅の気晴らしになるかも、と期待していただけに、悪いことをした。。。
何もする事が無いままにも、ウトウトしながら過ぎ去る時間。
悪天候にも関わらず船は安定してその行程を進め、定刻通りに福江港到着。
ぐったりしたカノジョさんを連れ、しばしターミナルで休憩。
ようやく辿り着いた。
天候は激しく暴風雨。(汗
幸い、宿はここから歩いて行ける距離にありしかも、選手登録会場に加えてレースのゴール会場にも近く、かつ市役所にも歩いて行けるという好立地。
オフィシャルツアーでの予約の時点では宿のランクこそ選べるものの、その場所までは選べない。
だからこの環境は何ともありがたい限りだ。これも、レースが“アイアンマン”では無くなった競争率の低さゆえだろうか。
プロローグでも触れた「2010年大会:口蹄疫による中止」およびそれ以来“アイアンマン”の冠の付くレースがこの地で開催されなくなってしまった件。
かつては参加権の競争率も非常に高く、定員1,250人の申込締切もかなり早い段階で終わってしまう人気ぶり。
しかし“バラモンキング”の冠になって今年で2回目だが、定員こそ600人に減ったものの、それでもかなり遅い時期まで募集しており、よほどの練習量不足や実績不足の選手でない限りは参加権が得られるように感じた。
こうした状況は寂しい限りだが、でも少なからずその恩恵で参加権も獲得し、好立地の宿も手配できたのだろう。
それに自分にとって、今回の最大の目的は226.2kmを完走することだ。
だから今回の条件は願ったり叶ったりだった。
雨足は激しくなる一方。
宿まで歩いたら、距離は近いがズブ濡れになること必至。
だからカノジョさんには最後のガマンをしてもらい、タクシー1メーターで移動することにした。
タクシーの運ちゃん曰く、「こんなに降ったのは久しぶり」とのこと。
何も今この時期に降らなくても…。。。
ただ、そのぶん今のうちに降ってもらってレース当日は晴れてほしい。
そんな淡い期待も持ち合わせていた。
ほど無くして宿到着。
ようやくこれでゆっくりできる。カノジョさんをゆっくりさせてあげられる。
ぐったりさせちゃったね。つわりキツかったよね。
申し訳ない。
でも、よくここまで一緒に付いて来てくれた。ありがとう。
俺、頑張るからね。(^ ^)
気さくな宿のお母さんに迎え入れられ、手続きを済ます。
「奥さん?大丈夫?」と心配してもらいつつ、「あさってに奥さんになる予定です。」と談笑しつつ、祝福の言葉を掛けてもらう。
さて、心配の種がもうひとつ。それは自転車が無事到着しているか、だ。
お母さんに案内され、入口を入って正面・奥にあるカフェテリアに多数置かれた自転車のケースの中、無事見慣れたハードケースと再会を果たす。
大丈夫だろう、とは分かっていても、こうして自分の目で確認してホッとした安堵感を感じるのは…宮古島のときもそうだったが、なんとも不思議な感覚だ。
きっと、戦友と現地で落ち合えたような、そんな心境なのだろう。
またあとでじっくりと組み立ててあげよう。
今日はこの後、選手登録と開会式とカーボローディングパーティが待っている。
どこまでも慌ただしい一日はまだまだ続く。
部屋に荷物を置き、少し休憩したあと選手登録会場に向かう。
会場となる福江文化会館は、宿から歩いて5分も掛からない場所にあるうえ、雨もその勢いを緩めてくれたおかげで苦もなく辿り着くことができた。
いよいよ会場に入る。
物販、お土産ブース、子どもたちが書いた応援のキャンパス、そして選手登録の案内板。
多くの選手でごった返し、それまであまり感じなかったレースの実感が否が応でも肌で感じることができる。
物販を見ると、それなりに装備は整えてきたはずだがどうしても「まだ何か足りないんじやないか」と、いつものように心配になる。
特に補給食は、宮古島大会の経験からおおよそ必要なものを揃えてあるがそれでも何となく不安になる。
そんな中で目に付いた電解質タブレットの売り文句。
「痙攣防止に効く」とくれば…寒さで身体が動かなくなるのはよく分かる。値段は少し張ったがサイズもコンパクトだったから、ものは試しとこれを購入。
ほかにも、事前に買っていた補給ジェルが結構安く売ってたりしたのを発見。
でも、もし最初からそれを目当てにして事前準備を減らして、万一ここで売り切れていたりした日にゃ目も当てられない。
必要なものは揃っている。だから大丈夫。
売られていたグッズは他にもいろいろあったけど、それはまた開会式の後に見てみよう。
バラモンちゃんはっけそw
階段を上り、選手登録ブースへ進む。
ゼッケンや大会プログラムが入った袋が大量に並び、登録番号ごとの受付テーブルがその前にずらりと立ち並ぶ。
自分のナンバーは674。語呂合わせは…んんん???なかなかマトモなのが思い浮かばない。
ただ、ムナシぃ結果にだけはならないでもらいたい。(汗
そんなにゲンはかつがないほうなので、むしろ覚えやすくていいかなと。。。
受付のボランティアにJTU(Japan Triathlon Union)の登録証を提示し、自分のナンバーを伝え、バッグを受け取る。
左腕に、登録選手の証の腕輪(?)が巻かれる。
一度巻かれたら、レースが終わるまで、福江島を後にするまで取り外すことはできない。
そういえば宮古島大会のときも同じシステムだったっけ。お風呂の時も外せないから最初は鬱陶しかったけど、レースが終わって取り外すとき、妙に寂しさを覚えたっけ。
今回は寂しさを感じるだろうか?いや、それよりもむしろ今は何というか、大会との繋がりを感じるほうが強い。
これから4日間、お世話になります。m(_ _)m
バッグに入れられた内容を、見本を参考に足りないものが無いかをその場で確認する。
今回も宮古島大会と同様に、スタート会場とBIKE会場が別の場所に位置している。
そのため荷物を事前に預けたり、預けた着替えを現地で受け取ったり、着替えた後ボランティアに預けたりするのだが、全てはバッグに記載された選手ナンバーで判断される。だから中身が足りないのはもちろん、万一誤った番号が書かれていたら違う選手のバッグを受け取ってしまうことになる。そうなってしまったらサイズが合わないとかそんなレベルの話ではなく、その選手に迷惑を掛けることにもなるため、結果的に言わば双方ともに“そこでレースが終わってしまう”かもしれないという、何気にシビアなシステムなのだ。
幸い、同封された内容は全てに問題が無いことを確認する。
これで今日のところはひと安心だ。
それからバッグには、現地の子どもたちが一生懸命書いてくれた、選手への応援メッセージが入っていた。
そうそう、宮古島大会でももらったな。今でも家にちゃんと保管してある。
彼ら彼女らから将来、この大会に参加する子たちは果たしてどれくらい出てきてくれるだろうか。
ちなみに今回は3枚も入っていた。
これも大会規模縮小による参加人数減少の影響だろうか。
でも、応援してくれる人たちの数は変わらない証拠でもあるわけだ。
いつもの事ながら、島の人たちの応援には助けられる。どんな状況になっても絶対に諦めない、諦めたくない、自分に負けたくない気持ちを最後まで燃やし続けることが出来るのは、島の人たちの応援があるからに他ならないからだ。
そうでもなければ、誰が180kmも自転車をこいで、そのあとフルマラソンなぞ出来ようものか。
今回もきっと、助けられる。
だから今回も応援の声には出来るだけ応えながら走ろう。
開会式会場に移動する。
場所は文化会館内のメインホール。
巨大なバラモンが内側からライトアップされ、そのそばで現地テレビ局の女子アナが司会進行を務める。
大会のセレモニーがひと通り終わり、いったん解散となる。
カーボローディングパーティ。
ようするにたくさん食べるわけだが、あいにくの雨のため屋外では開催できず、料理を皿に盛ってもらって、再びホールに戻って食べる、食べる、食べる。
皿を受け取るために、長い長い行列が出来る。
もとよりカノジョさんの体調が厳しいため、列の最後のほうまで座って待って、空いてきた頃にようやくこれに並ぶ。
すでに最初の頃に並んだ選手は山盛りの皿を持ってホールに戻ってきている。
そういえば、選手にはその引き換えチケットが同封されていたが、同行者は現金で買わなければならなかった。
でも、カノジョさんのぶんのチケットを買おうにも売り場が分からないまま、皿の列に並んでしまった。。。
チケットを渡す場にて、ここで現金で買えないか聞いてみたところ、受付のオッチャンの粋な計らいで「うーん、まぁ、いいよいいよチケット無しで。たくさん残ってるし。」
最後尾あたりならではの恩恵か。
す、すみませぬ。
あ、ありがたや。
皿を受け取り、料理の列を進んでいく。
野菜に肉に、揚げ物にチキンにゆで卵にペンネパスタにミニうどんにフルーツにヨーグルトにヤクルトにペットボトルに…。
進めば進むほどに料理が強制的に追加され、しかも「頑張ってくださいね〜」と言われた日にゃ断ることもできないまま、乗せられるがままにどんどん山盛りになっていくのが笑えて笑えて仕方がなくて。
やっと終わったと思ったらトドメのカレーライス。
こんなに食べられませんて。w
開会式から、座席に座ったままぐったり続きだったカノジョさん。
頑張って料理の列に並び、自分と同じく山盛りの皿を前にあたふたしているカノジョさん。
でも、わりとしっかり食べれたようで、その姿を見てホッと胸を撫で下ろす。
つわりで吐き気をもよおす事を繰り返すとどうしても痩せてしまうだろうし、お腹の子にも良くないだろう。
だから決して無理をするわけでもなく、しっかり食べてもらえて良かった。(^ ^)
食事中に再開された開会式のセレモニー。
有志による出しモノの、そのグダグダっぷりに笑いつつ、でも刻々と近づきつつあるレース本番へのカウントダウンに若干の緊張感を感じつつ、開会式が進行していく。
そしてすべてのプログラムがスムーズに終わり、閉幕する。
そうだ、雨ガッパ買わなきゃ。
正直雨ガッパを来てレースに臨んだことは無いけれど、当日が雨だった場合、体温を奪われる事を最小限に抑えなければならない。
もし邪魔だったら脱ぎ捨てたり、最初から使わなければいいこと。
備えあれば憂い無し。
幸い、会場で売られていた閉店間際の物販コーナーではタンクトップのような形をした、ごくごくシンプルなものを扱っていた。素材も簡単なものだったので300円で買うことができた。
あとは、、、自転車後輪が巻き上げる水しぶきが身体に当たって体温低下を防ぐための泥除けがあればいいんだけど、ここでは売っていなかった。まぁ、物販は明日もあるからまた探してみよう。
外に出ると、すっかり暗くなっていた。
近くの商店街を経由して宿に戻る。
街は、さびれていながらもこの大会一色に彩られていて、やはり嬉しい気持ちでいっぱいだった。
あさっては、島を一日お借りします。
精一杯頑張ります。(^-^)/
宿に戻り、一息ついたあとカフェテリアにて自転車を組み立てる。
宿のお母さんの好意でスペースを空けてもらい、エアコンも温度低めに設定してもらった。
通常、組み立てるよりもバラすほうが早いイメージがあるが、不思議とスムーズに組み上がる。
きっと、バラすときはエアキャップ(ぷちぷち)とバスタオルで丁寧に梱包までするので、そのぶん時間が掛かるのだろう。
それに組み立てるときのことを考えて、サドルの高さ調節やDHバーの位置を油性マジックで線を引いておいたおかげでだいぶラクに組み上げられた。
ほかのパーツも、基本的に水平に、ど真ん中に、まっすぐに調整すればいい。
それが終わったら、あとは緩まないようネジをしっかり締めて完成だ。
しかし、それにしても彼との付き合いも長い。かれこれ15年といったところか。
学生の頃…自転車競技部所属時代は強いプレッシャーを掛けたりしたし、メッセンジャー時代はコケたり雨ざらしにしたりしたし、ツール・ド・おきなわ2000の直前ではメンテンスに失敗して危うく廃車になりかけた。。。
数年来のホコリを被ったあと、見事に復活した2007年の再会は、嬉しかった。
時代は移り変わり、世間が進化した最新のパーツで溢れる中、消耗品を除いた多くの部品が当時の姿のまま、今もこうして自分と共に闘ってくれている。
ツール・ド・おきなわ2008では右シフトワイヤーが断線し、修理に失敗して右ハンドルが完全に使い物にならなくなったが、ギリギリのところで巡り逢った現地の自転車屋「ハシカワサイクル」の親父さんにハンドルごと譲ってもらった。
グレードは1ランク落ちるハンドルだが、あのハンドルにはハシカワの親父さんの魂が込められているから、これからもずっとこのまま使い続けていきたい。
宮古島での闘いの最中でも、彼は少し悲鳴をあげながらも155kmをなんとか共に走りきった。
だからあのレースが終わったときは、終わるときは、今度こそこれで最後かもしれないと思っていた。
でも、その後も変わらず自分のために、懸命に頑張ってくれている。
だから、彼がその役目を全(まっと)うする日がもし訪れるなら、最後まで付き合うことにしよう。
短い時の間で想いが駆け巡り、ふと我にかえる。
最後にギアチェンジをテストして、噛み合わせを微調整。これをガチャガチャ変更して、逆回転して、詰まりや引っ掛かりが無ければ大丈夫だ。
ナンバーカードを車体に取り付け、補給食を装備する。
いよいよ高まる、本番への想い。
やはりナンバーカードがあると無いとでは、雰囲気からして違うものだ。
ところでこのナンバーカード、意外と取り付ける位置が難しい。
フレーム内側にすると後ろ側のボトル出し入れの邪魔になるし、稼動部分には触れないようにうまくワイヤーを調節して付ける必要がある。
また自転車の車体やフレームの形状、太さによっても取り付け方が異なるので、実は自分も周りの自転車を参考に取り付けたクチだ。(笑)
その甲斐あって、今回はわりと格好良く取り付けられたかな。
そして、同じく取り付け方に四苦八苦する男がひとり。彼も同じ宿に泊まる選手だ。
これのアドバイスをしながらも、彼が着るポロシャツがまたしても「2011 FINISHER」であることに気付く。
空港での出来事と同じく、彼にも昨年度の雨レースの様子を聞いて情報収集することに。
彼の意見によると、そこまでは寒くはなかった、とのこと。ただそれなりの予防策はしておいたほうがよさそうだ。
人によって意見は異なり、もちろん体力や感じ方も異なるので、こうしていろんな人の意見が聞けてよかった。
部屋に戻る。
すっかり遅い時間になってしまった。
頑張って、準備をもう少し続ける。
SWIM用のバッグ、BIKE用のバッグ、RUN用のバッグ。
■SWIM用には海パン、ゴーグル、キャップ、曇り止め、ウエットスーツのほかにウォーミングアップジェルを入れる。
なおレース前日の寝る前に、テーピングをする。ヒザや腰、肩に貼る「ニューハレVテープ」は7枚、そして丸型の「ファイテンシール」は実に30枚を貼りまくる。今だに本当に効果があるのかは半信半疑だが、でもその実績は宮古島大会の完走で他ならぬ自分自身がこれを証明した。だから今回もその恩恵を最大限に授かるつもりなのです。
■BIKE用にはヘルメット、サングラス、上下ジャージ、グローブ、ソックス、シューズのほか、ウエストポーチに補給食のグミ、電解質タブレットそして正露丸、加えて各チェックポイントの目標タイムおよび制限時間をまとめたメモ、鼻からの呼吸をラクにするブリーズライトを入れる。
ちなみに当日の朝には補給食のジェル7個をボトルに入れ、これを水で薄めることで補給をしやすくする。これも宮古島大会で実践したテクだ。
■最後にRUNバッグ。上下ウェア、五本指ソックス、シューズのほか、ワセリンとそれを塗布する際の手を汚さないためのビニール手袋、貼り替え用のブリーズライト、そしてシューズのカカト形状を合わせるための特殊なバンドエイド「ソルボバン」を入れる。
※ちなみに後から思ったことだが、SWIM前にもワセリンを用意しておけばよかった。RUNバッグは前日、ボランティアに預けなければならないし、SWIMバッグも当日の朝、現地で準備が終わったらボランティアに預ける必要がある。だから実質ワセリンが2個あるのが望ましかった。
また、BIKEバッグにはハンドタオルがあれば、SWIMアップ後の身体拭きがよりスムーズだったかもしれない。
それと、ファイテンシールがSWIM後やBIKE後にも貼れるよう、分散すればよかった。途中どうしても剥がれてしまうし、走っていて気になるところが増えたらその時に貼ればいいからだ。
ただ、結果的にはどれも無くても何とかしのぐことが出来た。
目標&制限時間メモ。
宮古島大会のときは左腕に油性ペンで書いたけど、今回はチェックポイントが多く、また当日が雨だったり寒かったらアームウォーマーで見えないし、雨で消えてしまうかもしれない。だから今回は印刷した紙をビニール袋に入れて、ウエストポーチに入れながら走ることにした。
<簡易版>
<裏側に詳細版>
<BIKEコース>
ちなみに今回の目標タイムは宮古島大会のときと比べ、BIKEをやや緩く設定している。ただ、そのアドバンテージをはるかに上回る、アップダウンの多いコース設定。事前に地図サイトでその標高差を調べたり、それに向けた練習も重ねたが、目標タイムの平均速度を考えるとやはりキツい。
またRUNは多少甘いタイム設定をしたが、ゴールは制限時間15分前という、ぎりぎりのラインだ。
もちろんそれでは突然のアクシデントには対応できないので、もう少し早めに走りたいところ。
しかしそれも全てはBIKEがカギを握っている。
登りは攻めず、下りでその遅れを取り戻すスタイル。だが雨ではスリップなどの危険性が常につきまとうため、攻めきれない。
だから天候も、今回の完走を左右する大きな要素だ。
考えれば考えるほどに、不安になる。
テレビの天気予報が気になって仕方がない。
わずかな期待とは裏腹の、雨・雨・雨。
折りしも、梅雨だけでなく台風が近付きつつある時期。
でも今日会話した2人のFINISHERだって、大雨の中を完走できたんだ。
だからきっと何とかなる。
だからきっと、きっと大丈夫。
大丈夫。
すべてはきっと、うまくいく。
6月16日、土曜日。
レース前日。
今日やることは、自転車とRUN用バッグを預け、競技説明会に参加するだけ。
自分たちが今いる場所「福江」は、ゴール地点に近いエリア。
そしてスタート地点のSWIM会場および自転車の開始地点である「富江」はここから16km離れた場所に位置する。
自転車はレース前日に預けるのがルール。
だから選手によってはそこまで自転車で移動し、帰りはランニングして戻ってくるようなツワモノもいるが、雨だしレース前にそんな余計な体力は使いたくなかったので、昨日と同じ文化会館で実施している預託〜トラック移動を利用するとこにした。
ちなみに宮古島大会は、晴れていたこともあって自転車で移動し、帰りはシャトルバスで戻った。
自転車預託の受付は昼過ぎからの開始で、競技説明会は預託の後にそのまま参加すればちょうど良い。
久しぶりにゆっくりした朝を迎えることができた。
自転車に囲まれたカフェテリアでいただく和食。なんともはやw
お米は宿のご主人の実家で取れたものだそうだ。
カノジョさんも、美味しい美味しいと言いながら全部食べた。
ご飯を美味しく食べられるのは良いことです。(^ ^)
部屋に戻り、預ける荷物を最終確認し、カフェテリアに戻って自転車を入口まで移動する。
…?
?!?
!!!!
妙に地面の抵抗があると思ったら、なんとパンクしている!!!
練習中はかなり長い間、全く問題無かったのに…。
時間的に自転車預託の受付自体はまだまだ大丈夫だが、参加を義務付けられている競技説明会が始まってしまう。
しかもプログラムには出欠確認もする、とある。
焦る、焦る。
直前にトラブルに見舞われるのはいつもの事だが、どうしていつもこう、ギリギリのところで遭遇するのだろう…。
ただ、ギリギリで間に合わせることが出来ているのもいつもの事だ。
それに時間もまだ少し余裕がある。
だから今回も絶対、大丈夫のはずだ。
焦ってチューブを交換して、これを噛ませてしまったり、パンク自体の原因を探さないまま直すと今度はレース本番中にパンクしてしまうかもしれない。
それだけは避けたい。
だから、限られた時間の中、パンクの原因を突き止めてからカンペキに直す必要がある。
チューブを外し、穴を探す。
…目視では見つからない。
部屋に戻り、洗面台に水を貯めて、チューブに空気を入れて水に入れる。
どこだ、どこだ…。
一周しても見つからない。
いや、そんなハズはない。必ずどこかに穴があるはずだ。。。
…あった!
まさかの空気バルブ根元からの、ごく僅かな気泡。ごく小さな穴から、ひと晩かけてゆっくり空気が漏れたのだろう。
いわゆる「スローパンク」だ。
バルブ根元ということは、タイヤの外輪に原因は無さそうだ。
仮にガラスや太いクギが貫通してチューブを割いたともなれば、タイヤごと換えなければならないところだった。もちろんチューブの予備は常に持っているが、まさかタイヤの予備は持っていないから物販に行って買わなければならないところだった。。。
これで原因がはっきりしたので、あとはいつもの手順でチューブを交換するだけ。
それにしても久しくパンクしていなかったから、レース前に発覚して本当に良かった。
あとはレース本番中に再度のパンクをしないことを祈るだけ。
カノジョさんに細かな荷物を預け、先に自転車で、急ぎ文化会館に移動する。
自転車預託の列はすでに延びていた。
果たして競技説明会に間に合うか。
列に並んでほど無くしてカノジョさんも合流。
列は順調に進み、いよいよ自分の番。
あらかじめ記入済みの、トラック移動中の不可抗力による破損に関する誓約書、および自転車のセルフチェックが完了していることを宣言する用紙を提出して前に進む。
ヘルメットを装着し、あごのストラップに緩みや隙間が無いことのチェックを受け、前に進む。
自転車を多少荒っぽく動かされ、各パーツの緩みやガタが無いことの確認を受け、前に進む。
それにしても、宮古島の時よりもだいぶチェックが厳密だ。
これも“アイアンマン・ジャパン”の頃の名残だろうか。
実際、DHバーのネジ締めの緩みを指摘され、その場で直している選手もいた。
最後にバラモンちゃんの絵柄が描かれた認可シールを自転車とヘルメットに貼り、自転車をトラックに預ける。
どうか無事に、そしてパンク無く着きますように。(^_^;)/
競技説明会会場のメインホールに移動する。
やはりすでに始まっている。
ただ、入口で補足説明資料こそ配られたものの特に出欠をとっている様子は無かった。
一応間に合った。
よかった。
前日受け取ったバッグに入っていたプログラムに記載の内容と、あらかじめ送付されていたルールブックと、補足資料をもとにコース、危険箇所、制限時間の説明が進む。
中でも自転車のドラフティング禁止ルール、いわゆるスリップストリーム:前方の自転車にぴったりくっついて風よけにする行為の禁止については、実際に自転車を壇上に上げて詳しく説明がされる。
ドラフティングをするとしないとでは、もともと自転車競技部に所属していただけに良く分かるのだが、その効果の差は歴然。
レースが長距離になればなるほど、その恩恵についつい頼ってしまう誘惑に駆られるわけだが、審判もそのことは百も承知。だから沿道の審判だけでなく、オートバイの審判もいる。
ただ、そこまで厳密で厳しい判断を下すことはそうそう無いが、とは言えロング大会はショート〜ミドル大会よりも全体的にジャッジは厳しめだ。だから1回目は5分間のペナルティ、2回目はなんと失格になってしまう。
でも審判も全ての場所に配置されているわけではない。けど、だからと言って監視の目が無いからと、こっそりドラフティングしようにも他ならぬ自分自身がこれを見ている。
完走も大事だけど、やる以上は堂々としていたい。
レース自体の説明会が終わり、トップ選手の紹介とインタビュー、そしてアドバイスが交わされる。自分が勝手に憧れている篠崎 友選手もいた。
今回は自分の参加する「Aタイプ」ではなく、総距離がやや短い「Bタイプ」でトップを争うとのことだ。とは言え同じレースに立てたことに少なからずの喜びを噛み締める。
噛み締めながらも、アドバイスにあった「平和なのは30kmまで」という言葉が印象的だったのか、強く頭にその言葉が残った。それだけアップダウンがキツいのか、それともトップを狙う選手ならではの、常に攻め続けるゆえの言葉なのだろうか。
最後に激励の言葉をいただき、説明会が終わる。
昨日選手登録をしたブースに行き、RUNバッグを預ける。
宮古島大会では当日の朝にスタート地点まで持って行って預けたが、本大会では前日に預けるようだ。
たしかにそのほうが、当日持って行く荷物が少なくて済む。
宮古島のときは合計でバッグ3つをしょって行ったからね。
しかし果たして、本当にこの荷物で大丈夫だろうか。
再三再四確認したが、それでも不安になる。
でも…でも大丈夫。
宮古島大会でも大丈夫だった。今回はその経験もあるし、何度もシミュレーションした。
最悪、上下ウェアとシューズがあればいい。
それはちゃんと入っている。
覚悟を決め、ボランティアに荷物を託す。
明日また無事に会えますように。
物販コーナーへ。
目的は昨日買えなかった泥よけと、直前にパンクして消費したチューブを補充すること。
残念ながら泥除けは売っていなかったが、チューブは問題なく買えた。
また、そこで目に付いたCO2ボンベ。
パンクした際に最も大変なのは空気をしっかり入れることだ。携帯型ポンプでは一度に入れられる量も少なく、空気圧も満足のいくほどまでは入れられない。何よりも疲れてしまう。
普段からもよく自転車屋で目にしていたが、今回の雨天レースではパンクのリスクも付きもの。
基本的にCO2ボンベはぶっつけ本番は絶対にオススメされず、物販の店員さんにもやめた方が良いと言われたが、可能性が存在する中、後からこれを買わなかった事の後悔だけはしたくない。
値段も1個500円し、もし使わなくても飛行機に持って持ち帰ることが出来ず没収扱いになるが、モノは試しと購入。しかもセット販売しか無くて、ボンベ2個+バルブでお値段1,500円だったが、後悔するくらいであれば安い投資だ。
無論、使わなければ使わなかったで、それはそれで大歓迎だ。
お土産コーナー。
五島と言えば、名物「五島うどん」。何でも日本三大うどんのひとつとのこと。
ちなみに残り2つは「讃岐うどん」と「稲庭うどん」。
関東に住んでいると、なかなか五島うどんは聞かないな。
なのでこれを自宅用と実家用に購入。
それと、皇族御用達?のきな粉餅のようなお菓子。これは会社のお土産にしよう。
計3箱をお買い上げ〜。
文化会館を後にする。
そう言えば昼ご飯、食べてなかった。
せっかく来た五島列島。五島と言えば…現地で五島うどんを食べておきたい。
商店街を歩き、なぜかお寿司屋さんにてこれを発見。
お店の前で、はいポーズ。
って、何でそんなポーズやねんw
小さい店内にて、五島うどんとミニ稲荷を注文。
うどんはかなり細く、つるつるっと口に入っていって、食べやすくて美味しかった。
店内を見回すと、あの腹話術師のいっこく堂が来店されてうどんを食べた、との写真が。
寿司屋だからうどんは大丈夫なのだろうか、と若干心配していたが、何となく安心した。
食後、まったりしながらも気になる天気予報。
iPhoneのお天気アプリで明日の予報を調べる。
ここに来て初めての、雨マークの無い一日が表示される。
そう言えば今日は昨日に比べてだいぶ雨足が弱まってくれている。願わくば、このまま本当に雨が降らずに済んでもらえれば…。
宿に戻る。
生まれて初めててるてる坊主を作ってみる。
本当は可愛らしい顔も書きたかったのだが、筆記用具も無かったのでシンプルにこのままでw
明日はどうか晴れますように。
ひと休みした後、宿からほど近いゴール会場、およびそこから近いBIKE→RUNトランジッションエリアを下見しに行くことにした。
ゴールの場所は、最初に五島に到着した港のすぐ近くの公園。
すでに準備が進み、司会のためのマイクテストや、大道具の設営が慌しく進んでいる。
って、いくら港だからってその石原裕次郎やめれw
設営のお邪魔にならない範囲で、栄光のレッドカーペットの脇を歩き、ゴールゲートを撮影する。
明日はきっと、いや必ずやここに辿り着く!
辿り着いて、ふたりで手を繋いでレッドカーペットを走り、ゴールテープを掴んで頭上に挙げるんだ!
だから今からイメージトレーニング!
走ってきましたー!
ゴールテープを掴みましたー!
いっせーのーせでジャンプ!
そしてそのまま数秒間、頭上に高々と挙げて「やったー!!」
それをきっちり撮影してもらおう!(^ ^)/
↑ゴールゲートを歩いた動画です。
ダウンロードをご希望の方はこちらを右クリック「名前を付けて保存」にてどうぞ。(10.9MB)
トランジッションエリアに行ってみる。
途中、凝ったデザインのマンホールを発見。ここにもバラモンが。
そう言えば宮古島でも、トライアスロンをあしらったマンホール蓋があったなぁ。
トランジッションエリア。
場所は細長い公園の中に設置されており、このままだと雨で濡れた中、土の上を歩くことになる。
明日はフルマラソンの出だしで泥だらけには、なりたくないなぁ。。。
自転車を置くスペースも出来つつある。
通常、トライアスロンは停止線で自転車を降りたあと、押してバイクゾーンまで移動し、自転車をラックに掛け、そこに備え付けてあるバッグから着替えを取り出して着替えるのが一般的。
だが本大会は珍しく、停止線で自転車を降りたらこれをボランティアに預けてしまい、また別のボランティアからRUNバッグを手渡しで受け取り、テント内で着替えるのだ。
だから自分のラックを探す手間が省け、気分的にかなりラクになる。
果たして本番ではうまくいくだろうか。
↑トランジッションエリアを撮影した動画です。
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陽も傾いてきた。
明日は朝が早い。
だから晩ご飯には少し早いけど、早めに食べてしまおう。
ってさっき遅い昼ごはんを食べたばかりだけどw
選んだのは、ラーメン屋での焼肉定食。
しかも五島牛が食べられる「焼肉定食・上」。
お値段は若干張ったが、名物をこうして効率的に食べられるのだから構わない。
んで肝心のお味はと言うと…
イマイチよく違いがワカランかった(汗
宿に戻り、風呂に入った後、いよいよレース前日ならではの準備をする。
テーピングを効率よくするため、また剥がれにくくするため、すね毛を全部剃ってしまうのだ。
向かって左側が使用前、右側が使用後w
両足剃ったあと、丸いファイテンシールを30枚、
それからニューハレVテープを両ふくらはぎ・両ヒザ・両肩・腰の計7枚を貼る。
これで全ての準備は整った。あとは…あとは明日が来るのを待つだけ。
iPhoneと腕時計の目覚ましをセットし、就寝する。
さぁ…いよいよ…だ!
>> 五島長崎国際トライアスロン「バラモンキング」
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