>> 宮古島ロングディスタンス トライアスロン <<
〜 バイク預託 / 尽きることのない不安にあらがうは、僅かなる期待 〜
07:00 起床。肌寒い。
昨晩の開会式でのアナウンスでもあったが、この気候は地元の人たちにとっても、普段より寒いらしい。
そんな自分の体調はと言うと、おかげで熱は下がったようだが、ノドの痛みや身体のダルさはまだ少し。
早いところ全快してもらいたいものだ。
07:30 朝食。ペンションの隣の飲み屋らしき店で食べるのがデフォらしい。
食後の一眠り。
にしてもここ数日、妙に眠い。
レース準備はと言うと、“果たして本当に大丈夫だろうか”という不安がありながらも終わっている。
そこで、自転車の試走がてら街中を走ってみることにした。
応援幕に…
現実。
昨日はちゃんと撮れなかった空港を撮ってみる。
それにしても本当に小さな空港だ。
特に行くアテも無く、港に着く。
華やかさは全く無いが、水の綺麗さだけは別格だ。
地図によると、ここいらが一番の繁華街のようだが…
街を見守るシーサー。
頑張ります。
12:00 いったん宿に戻る。
ひと息ついて、、、
そろそろレーススタート会場に向かうか。
本大会は、島の南西の海岸沿いにあるリゾートホテル「宮古島 東急リゾート」をスタート会場にし、そこでSWIMを経てBIKEで島を1周半し、昨日の開会式会場に戻ってフルマラソンというコースだ。
フルマラソンは島の中心を横断する、片道21.0975kmの単純な往復路。
だから最後はまた昨日の会場、その隣の陸上競技場に戻ってくることになる。
現在地はそのゴール地点に程近い宿だから、スタート地点へ自転車で移動し、今日のうちにそこに預託しなければならない。
つまり、スタート地点とゴール地点の場所が異なるのである。
そのぶん、各ポイントに置くべき荷物も異なり、それがいっそうレース準備を複雑にし、不安にさせるのだ。
何度も何度もレース当日をシミュレーションし、相部屋仲間に確認をし、荷物を確認する。
そして意を決してスタート会場に向かう。
宿から会場までは約15km。
自転車に対するメンテナンスが出来るのはもう、今日が最後だ。
でも、ここまでくればもう、今さらじたばたしても仕方がない。
きっと大丈夫…なはずだ。
3人相部屋のうち、トライアスロン部所属の彼は、部活仲間の元に移動するとのこと。
そこでもう一人の彼と一緒に行くことになった。
曇りがちの気候の中、自転車を飛ばす。
自分たちのほかにもレース会場に向かう選手がちらほらと増えてくる。
やはり目は、その装備にいってしまう。
あれは持っただろうか、これは必要だろうか。
不安は尽きない。
でも、そんな心境でも観光魂とカメラ小僧魂はあるもので、直接会場に向かう前に少し寄り道し、島の絶景ポイントである離れ小島へと向かう。
一応、BIKEコースでもあるからね。下見を兼ねて。(笑)
そして強い追い風に乗り、真っ直ぐに伸びた橋を渡った先から見た景色は…
レース当日はとてもこんな景色を楽しんでいる余裕は無いだろう。
それに、今来た道を引き返すコース、その半端無い向かい風に不安になる。
スタート会場である「宮古島 東急リゾート」が見える。
そろそろ行くか。
スタート会場到着。
すでに多くの参加者が集っていた。
そして出店も多い。
…そうだ、自転車のフレームに取り付ける、補給食用ケースを買っておこう。
当日はウエストポーチを着用して走る予定だし、去年のミドルディスタンスレースでおおよその補給食消費量は把握している。
でも、万一食料が尽きてハンガーノックにでもなったら目も当てられない。
準備が出来るのであれば、出来るだけやっておいたほうがいい。
いよいよ…自転車を預ける。
相変わらずハイレベルな自転車がずらりと並んでいる。
それと比べるとやはり、見劣りをしてしまう自分の自転車だが、
だが、10年来の付き合いはそうやすやすと切れるものではない。(と言ってもブランクが4年くらいあったけど。)
自転車をセットする。
準備はたぶん、万全のはず。
…でも、いくら準備しても不安は尽きない。
なかなかその場から離れられない。
去っては周りの準備の様子を目にして、また戻る。
繰り返すこと数回。
もう、大丈夫だろう。。。
一度離れると、もう明日のレース当日の朝まで戻れないが、やれることはやったはず。
スイムスタート地点に立つ。
エメラルドグリーンの海、真っ白な砂浜。
ここまで綺麗な海は、数年前にメキシコ旅行で訪れたカリブ海以来か。
もちろん、そんな海で泳ぐのは今回が初めての経験だ。
ただ、水が冷たい。。。
聞くところによると、水温20度くらいとのこと。
ちと冷たいか…。
果たしてウエットスーツがどの程度までこの寒さを防いでくれるか。
※砂浜の穏やかな波を撮影したデジカメ動画をご覧いただけます。
ダウンロードはこちらからどうぞ。(1.1MB)
11年前に馳せた夢。明日、ついにそのスタートラインに立つことが出来る。。。
その後軽く昼食を取り、15時発の送迎バスで宿に戻る。
車内、爆睡。
晩ご飯。
最後の準備、そして
初日、開会式会場のPowerBarブースで購入したテーピングを貼る。
両足ヒザ、ふくらはぎ、そして背中で合計5枚。
加えてファイテンテープを実に14枚。
昨年秋に実施した“富士〜名古屋 国道1号走行”で初めて知ったファイテンテープの威力。
そして今回初めてとなるテーピング。
もちろん半信半疑だけど、頼れるものは何でも頼っていたい。
ヒザ裏の痛みさえ出なければ、きっと、きっと何とかなる。
これは、そのためのおなじまいのようなものだ。
それから、
かねてから試行錯誤してきたタイムテーブル作戦、そのチェックポイントごとの目標通過タイムと制限時間を腕に記入する。
ポイントごとで自分の目指すタイムとの差を見ながらペースを調整する効果は、過去のレースで実証済みだ。
あとはこれを本当にひとつひとつ、クリアしていくだけ。。。
・
・
・
自分の人生を振り返ると、それはそれはいつも波乱に満ちたものだった。
けど、そのたびに乗り越えてきた。
そのたびに強くなっていった。
「強く願えば、願いは叶う。」
そう思える体験を何度も実現させてきた。
だから今、本当に必要なのは、明日のレースの天候のことでも、距離のことでも、これまでの練習量のことでも無い。
必要なのはただひとつ。
「自分を信じる」こと。
自分を信頼し、必ず完走出来るのだと信じ、願う。
もちろんそれでも疑心暗鬼に襲われ、半信半疑に弱気にもなる。
でも、それは当然のことだ。
経験したことのないレース距離。史上最長。長年の夢。
経験したことのない怪我。伝播する神経の痛み。完治しないまま迎えた本番。いつ爆弾が爆発し、走れなくなるかもしれないという不安。
でも…どんな逆境にあっても、過去の実績が「今回もきっと乗り越えられるはずだ」というキモチの裏付けとなり、辛うじてか細い自信の支えとなってくれている。
だから、エントリーのキャンセルもせず、10数万円を費やしてこの場にやって来た。
やれるだけの事はやった。
だから、明日はやることをやるだけだ。
夢の舞台を楽しんで、苦しんで、噛みしめて、
そして感情のままに、きっと完走する。
大丈夫。すべてはきっと、うまくいく。
>> レース当日 / もどる