>> さらばホノルル <<



夢の世界から現実の世界へ


最終日は予定を全く入れることが出来ない。朝6時、ホテルのロビー集合でそのまま空港に直行である。狭い車内にデカい荷物を抱えてギューギュー詰めになりつつ、ホノルルの街並みを後にする。

初日、あんなに夢に溢れていたあの街並みが、今やその全ての夢を叶え、十分満足しているはずなのに、やはり思い出が楽しければ楽しいほど、それの終わりというものはいくら理解していても、やはり淋しいものだ。。。





空港に着いてしまえば…あとはもう退屈な時間しか残されていない。

色々な意味で支えてくれたレンタル携帯を返却し、軽く朝食をし、狭い空間をぶらぶらと歩き、土産屋を眺め、本屋で写真集なんぞを眺める。あァ…こんな写真が自分にも撮れたら楽しいだろうな、、、とか、こんな場所にも行ってみたいな…とか。



時間になり、飛行機に乗り込む。今回もノースウエスト航空だ。ただ行きとデザインが違う機体だ。自分にとってはこちらのデザインのほうが馴染みがあるのだが、今はどちらが主流なのだろうか。



機内は…うわ・・・・・・中央席の、通路側ではなく内側の席、か。まぁ仕方ないか。


ただ帰りの便は行きよりもだいぶマシだった。ビールを飲まないようにしたから酔わなかっただけでなく(笑)、隣の席の、少し年上の女性とマラソン談義でだいぶ盛り上がったり、プライベートの話をしたり、まったりしたり。それに飛行機が太陽に向かって飛ぶので、外が常に明るく、「雲を上空から撮影する」という楽しみをも、最後の最後で果たすことができたのだった。


窓がかなり汚れていて、綺麗な作品にはならなかったけど、でもまぁ結構満足。



が、帰りの便もちょっとばかし波乱が。

エコノミー症候群とは違うんだけど、ずっとヒザを曲げた状態で座っていたから、途中からやたらとヒザが痛むようになったのだ。


また途中、「じっとしてる」ガマンが切れてだいぶ退屈してしまったけど、何とか頑張って、、、

そのうちウトウトしてきて・・・





そして、楽しかった思い出がいろいろとよみがえってきた。


初日、あの温度差に驚くも喜んだこと、その朝日がまぶしかったこと、
コンベンションセンターでテンションがうなぎのぼりになったこと、
ホテルのフロントで英会話がうまくいったこと、
タンタラスの夜景があまりうまくいかなかったこと、

ダイヤモンドヘッド頂上で見た光景が素晴らしかったこと、
ワイキキビーチで女の子たちに「写真撮ってくださーい」と言われたこと、
ルアウで仲間たちに出会ったこと、
あの子に出会えたこと、
ウエストポーチを買ったこと、

オアフ島一周ツアーに参加したこと、
あの新婚夫婦に出会ったこと、
曙ママの店で記念撮影したこと、
この木なんの木を見れたこと、
免税店で降りてサーフィンの予約を取ったこと、
実弾射撃をしたこと、
荷物を抱えてリムジンでホテルに戻ったこと、
マラソンの準備であたふたしたこと、

マラソン当日、H.I.S.のみんなと決起会をやったこと、
スタートラインに並んでワクワクドキドキしたこと、
真っ暗なダウンタウンで写真を撮ったこと、
薄明るくなってきたメインストリートを走ったこと、
H.I.S.応援団の応援が本当に嬉しかったこと、
とにかく写真を撮りまくりながら走ったこと、
ゴール2km前であの新婚夫婦に出会えたこと、
溢れる笑顔でゴールしたこと、
ゴール後のテントであのお婆さんと娘さんにも出会えたこと、
JAL公式ホームページ掲載用のインタビューを受けたこと、
打ち上げ会を途中で抜け出して女の子と晩ご飯を食べたこと、
晩ご飯の席が空いていなくて、外国人老夫婦と合い席になったこと、
女の子の流暢な英会話に引っ張られながら自分も会話を頑張ったこと、
飼い犬の話で盛り上がったこと、
握手をして「Nice to meet you.」と言って別れたこと、
帰り道でふと見た光景が、その日の早朝に走ったコースだと気付いて自然と涙が出てきたこと、

早朝から起きてサーフィンに向かったこと、
海水が冷たくてしょっぱかったこと、
なんとか立てたこと、
女の子のボードにぶつかりつつも二人とも立てたこと、
その光景が写真に収められていたこと、
オークリーのショップでまたあの新婚夫婦に出会えたこと、
記録証を受け取ったこと、
インターネットカフェでお昼ご飯を食べたこと、
疲労困憊ながらもついついホテルまで歩いて戻ったこと、
無料タクシー券で免税店まで行ったこと、
女の子と合流して写真を買いに行ったこと、
最後の晩餐を楽しんだこと、
握手をして別れたこと、、、





どれも、その一つ一つのどれもが例外なく大切な思い出だ・・・




そうしているうちにも機体は日本との距離を確実に縮め、その表示に一喜一憂しながら。。。


そして、、、日本到着。




正直…帰って来たくなかった、というのが率直な感情だった。





降りる際…まだヒザが痛い。フルマラソンを走った後も、翌日もピンピンしてたのに、よりにもよって飛行機の、しかも往復ともダメージを受けるとはね…(苦笑)




日本は…寒かった。機内も少し寒かったけど、やはり12月。寒い。



空港を出て、余ったドル紙幣を日本円に両替し、新宿行きのリムジンバスのチケットを購入。

のんびりバスに揺られ、、、って結構時間かかるのね。空港には比較的明るい時間に到着したのに、どんどん暗くなっていき、




新宿に到着したときは午後5時を廻っていた。







到着後何人かに帰還メールを打ち、いつもの交通手段で帰宅の路につく。
街は何一つ変わらない、いつも通りの姿をしていた。

何も変わらないっていうのはある意味幸せなことだけど、やはり今の心境からすると、ちょっぴり淋しいわな。。。



そして家に到着。何だか久しぶり。

明日は…このためにたっぷり有給取ってたからね、明日から仕事です。


現実に引き戻されるのを淋しがりながらも少しずつ受け入れ、溜まりに溜まった洗濯物を一気に片付け、銭湯に行ってデカい風呂で旅の疲れを癒し、明日からの現実の生活に備える。













夢の旅は全ての幕を下ろした。
現実が淋しいと思えば思うほど、それは即ち、旅がそれだけ充実していたという証でもある。特に今回は、現地で出会うことの出来た人々の存在が、そして何よりも、自分の大好きな「スポーツ」というイベントをメインにおいた旅だったからこそ、これほどまでに充実した旅にすることができたのではないだろうか。

来年、再来年、それ以降、ホノルルマラソンは続くだろう。そして可能であれば自分もそれに参加したい。でも、今の状態では「参加する目的」というものが存在しない。今回の目的は10年越しの夢、初フルマラソンの夢・・・初ハワイの夢・・・・・・そう、夢があった。そしてそれを叶えることができた。

だが次回以降、何があるだろうか。


あの子は言っていた。行くまでは目的が無くても、行って初めて目的が見つかり、そしてそれを掴み取ることだってできる、と。確かにそれも一理あるし、きっとそうだと思う。だからもしかしたら、特に目的が無いままに将来、また参加することがあるかもしれない。

ただ、自分はこう思うのだ。
少なくとも惰性で行くようなことだけはしたくない。それだけ今回の旅は自分にとって大切なものだから。だからそのぶん、もし将来何かいい事があったら、、、このイベントを有効に活用できるような事があったとしたら、、、、、、

その時は再び、このイベントを存分に活用できるような、そんな旅にしたいと思っている。

 

 

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